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目次
あやしの生まれるところ
第1部 東西のあやし(平安のあやし;なにわのあやし;江戸のあやし;西洋からきたあやし;東京のあやし)
第2部 広がるあやし(怖いあやし;異形のあやし;現代のあやし)
著者等紹介
松嶋雅人[マツシママサト]
1966年大阪市の生まれ。金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科を卒業し、同大学大学院修士課程を修了する。その後東京藝術大学大学院博士後期課程に進み1997年単位取得満期退学。現在東京国立博物館学芸研究部列品管理課平常展調整室長。日本近世から近代にかけての絵画史を中心に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
94
どこか面妖な美を湛えた女性像を紹介した本。大好きな甲斐庄楠音や上村松園、月岡芳年、村山槐多、小村雪岱、丸尾末広があったのは嬉しかったし、島成園や菊池契月、西山翠嶂、北野恒富らを知れたのは収穫でした。特に北野恒富の作品は明治と大正では同じ人が描いたとは思えない程。個人的に島成園の「おんな」の感情が爆発する間際の無表情さとも言える眼差しに引き込まれてしまう。「紫式部妄語地獄」は謡曲「源氏供養」をモチーフにしたのかな?しかし、最後で『最終兵器彼女』のちせちゃんが出ているのには驚いた(笑)2018/06/09
もんらっしぇ
73
「あやしい絵展2021@東京国立近代美術館」に宣言前滑り込みで出かけてきました。その復習で。親切な読友さんから『元ネタではないか』と教えていただき納得。著者の松嶋雅人氏は今回の美術展の監修もされたようです。そしてニコニコ動画の解説、ぶらぶら美術・博物館での解説も併せて鑑賞。あやしい美人画が満載で頭がクラクラしますw特に印象に残ったのは「甲斐庄楠音」の作品。不勉強ながら、お初の画家でしたが凄い画を描きますね!代表作『横櫛』は実際に実物を観ると「あやしい」というよりは、得も言われぬ美しさで驚嘆しました♪ 2021/05/05
いたろう
61
日本の画家による「あやしい」女性の絵画集。書名に「美人画」とあるが、必ずしも美人ばかりではない、インパクトのある女性像が並ぶ。なかでも、「ぼっけえ、きょうてえ」の表紙画になっている「横櫛」など、甲斐庄楠音の絵が強烈に印象に残る。この「横櫛」等、甲斐庄楠音の絵が、同じくこの本に掲載されている岡本神草「口紅」「拳を打てる三人の舞妓の習作」、稲垣仲静「太夫」、木村斯光「花魁」、菊池契月「少女」(これは全然怪しくない真っ当な美人画)などと一緒に千葉市美術館の「岡本神草の時代展」で観られるようなので、とても楽しみ。2018/04/15
なると
53
夜に読んでたが、怖くなって続きは昼間に読んだ。花魁達の妖しい笑顔が怖いこと怖いこと…。私が好きな絵のひとつは児小姓の「毛抜」刻々と成長する我が身うらめしの表情がよい。月岡芳年の「うぶめ」は恐ろしくも物悲しい雰囲気の漂う幽霊画。白いうなじから腰にかけてのS字カーブ、ぴったりとまとわりついた腰布……妙にエロティックである。展示会が打ち切りとのことで、残業至極でございます。2021/05/14
keroppi
49
読友さんのレビューを読んで気になり図書館で借りてみました。美人画とは言いながら、その「あやしさ」は、なかなか凄い!特に大正・昭和初期の日本画と洋画の渾然一体となった表現から生まれ出てくる女性たちの現実や情念に目を奪われる。読書メーターに入っていなかったら知り得なかった本だろうと思う。2017/12/03