感想・レビュー
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ヴェネツィア
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この巻では再び1950年代に戻る。ローマに生まれ、その地で建築を学んだ後、ブラジルにやってきた女性建築家リナ・ボ・バルディの自邸「ヴィドロ(ガラス)の家」の登場である。サン・パウロの郊外というか、ジャングルの中に建てられている。そうした環境にあるためだろう、高床構造をとっている。そして、ヴィドロを自称するように、壁面のほとんどは大きく開いたガラスで覆われている。そうではあるのだが、眺望がいいというわけではない。なにしろ周りは鬱蒼たるジャングルである。夜などは獣の声も聴こえたのではないだろうか。内と外とを⇒2024/12/26