内容説明
あやなす装飾デザインの美を味わい、ヨーロッパの伝統的世界観と豊穣なシンボリズムの系譜を読み解く。
目次
第1章 古代(シュロ;ロゼット ほか)
第2章 中世(組紐;渦巻 ほか)
第3章 近代1(ザクロ;ミッレフィオリ/ミルフルール ほか)
第4章 近代2(月桂樹;メダイヨン ほか)
著者等紹介
鶴岡真弓[ツルオカマユミ]
1952年生まれ。早稲田大学大学院修了後、アイルランド、ダブリン大学トリニティカレッジ留学。立命館大学教授を経て、多摩美術大学教授。2012年より多摩美術大学芸術人類学研究所所長。ヨーロッパの基層に横たわるケルト文化、さらに日本に至る「ユーロ=アジア世界」のデザイン交流史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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元気伊勢子
7
装飾紋様は、今まで手に取らなかった。なかなか面白いし、新鮮だった。また1つ、世界が広がってきたように思う。2022/12/18
トーマス
3
綺麗な絵や図像がたくさん入っているのでそれだけでも見る価値ありますよ。テーマごと装飾が1~2pで簡単にまとめられています。図像が丁寧でわかりやすかったのもよかったです。古代ギリシャやケルトからキリスト教に展開するときの時系列を縦串として意識していたり、そういうところもGood2015/02/22
月と星
3
★★★ヨーロッパの装飾美術のなかで綺羅星のように数限りなく輝く文様や象徴は、私たちが過去の人々の思いに出会い、異文化を理解するための、最も重要な鍵であり、美への旅の最高のパスポートなのです…だって。カラーで美しく、説明も丁寧です。世界史好きなら、はまる。2013/04/05
りーすひぇん
2
美術作品や建築に見られる装飾のモチーフを元となった植物や動物、当時の流行、そのモチーフに与えられた意味等を解説。片面1ページ、または見開き1ページにひとつのモチーフを解説しているので、気になったモチーフがあった時にそのページを開くだけですぐに解説が読める。カタログみたい。このモチーフに名前あったの…?というものまで掲載されていて、目の前で見ていたけど名称も知らなかったなぁと。ヨーロッパでよく見られると言ってもエジプトやトルコ、中国で生まれたものが取り入れられ、適応されていったものもたくさんあった。2023/01/05
paxomnibus
2
読み進む内に装飾の名称と愛好された時代が自然と覚えられるような本。ヨーロッパの歴史を追っていけるので分かりやすい。図版もカラーで豊富。「すぐわかる」は伊達じゃない、大変とっつきやすい入門書だと思う。ケルトの組紐模様や彩色写本について詳しいのが嬉しい。拡大図もあって大変助かった。アール・デコのページには日本の東京都庭園美術館玄関を飾るルネ・ラリックのガラスレリーフ扉の写真もある。それと似たモチーフのラリック作の立像が古代のページで紹介され、タイトルの「カリアティド」とは女性像をかたどった柱の事と分かる。成程2020/08/24