目次
プロローグ 画家フェルメールの誕生
第1章 物語画家を目指して
第2章 風俗画家への転身
第3章 成熟の時代
第4章 爛熟と再びの模索
エピローグ 遺された家族と作品のその後
著者等紹介
小林頼子[コバヤシヨリコ]
1948年生まれ。慶応義塾大学大学院博士課程修了。ユトレヒト大学美術史研究所留学。慶応義塾大学等の講師を経て、目白大学社会学部メディア表現学科教授。専門は17世紀オランダ美術史。著書:『フェルメール論』、『フェルメールの世界』(この二著で第10回吉田秀和賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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どぶねずみ
34
フェルメール展を観に行くので、その予習として。短い生涯を遂げたフェルメールだが、「○○の女」と「○○する女」という何かと女性の人物画が多い。そのなかでも真珠の耳飾りは有名だけど、どの画もモデルは庶民的だが色使いが美しく描かれている。これらの女性画は決して肌の露出は少ないというのに風俗画と言うらしい。フェルメールが生み出した作品数はそう多くはないけど、どんな展示会になるだろうか。フェルメール展が楽しみだ。2022/02/14
nobi
30
絵画作品へのアプローチが随分違うシリ・ハストヴェットと小林頼子に案内されて、今月フェルメール展に二度訪れたといった感じ。一方は内包的構造に迫り、一方は外延的構造を明らかにしてくれる。小林は当時の画家たちからどのような影響を受け、その中彼独特の光と色彩と構図の世界を深めて行ったかを手際よく熱く語る。「生涯と作品」シリーズであるから自らの好みは極力抑えてはいても、時に後期作品などへの批評は辛辣。当時の聖性から世俗性への移行と、至福の、でも儚い共存を、フェルメールは鮮明に表現した、それが会場を後にした私の感想。2016/10/29
ミナコ@灯れ松明の火
17
フェルメールを実際に見に行ったので、これでおさらい。同時代の画家さんや時代背景を知ることで、さらに理解が深まるような気がする。フェルメールが絵に込めた真意を完全に知ることはできないけれど、絵から受けた刺激で新たな興味の扉がオープンしたように思う。シリーズで出版されているようなので他の作家さんのものも読んでみたい。2011/08/30
ゆみにてぃー。
11
かなり詳しく端的にかいてあるので、美術館に行く前などにさらっと読めます!テレビのフェルメール特集と同じくらいのレベルでした。2018/10/27
せっかちーぬ
9
解説ちょっとだけ読みながら、主に絵を鑑賞。初期の神話画もいいな。神話勉強しながら、また観たい。そして若い娘は色々忙しいのね。手紙書いたり読んだり。音楽やったり。そりゃ召使い達も、若い娘の行動にうるさくなったり、気になったりしちゃうよね。表情に出てるもの。フェルメールがパンをツケで買って、家族で食べてたことが分かった。こういう所ばかり拾って読むところが、なんだかなな自分。2022/07/23