内容説明
とびきりの名碗八〇点の見どころを、形・高台・釉・文様などのポイントごとに解説。各ジャンルの茶碗の特徴・名の由来・歴史が、簡潔・明解に整理されて、すぐわかる。
目次
第1章 唐物―茶人の美意識(天目―中国の陶工がつくりあげた名茶碗)
第2章 桃山―創作への転換(長次郎―寂びたる利休美学の結晶;美濃―創造力の爆発 ほか)
第3章 江戸―優美な味わいを求めて(萩・薩摩―朝鮮渡来の陶工により創始されたやきもの;楽代々―長次郎を継ぐ茶碗 ほか)
第4章 茶人と茶碗―個性が選ぶ楽しい茶碗(小林一三―逸翁と号した数寄風流の茶人;川喜田半泥子―自由闊達な作陶に耽る ほか)
著者等紹介
矢部良明[ヤベヨシアキ]
1943年神奈川県大磯町生まれ。東北大学文学部美術史科修了。東京国立博物館陶磁室長、同館考古課長を経て、現在、人間国宝美術館館長。蒼庵主人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R
23
ビジュアルブックとして堪能。茶の湯に愛される茶碗をフルカラーで見せてくれるというだけで眼福。個人蔵の茶碗が多いのも魅力で、展覧会などでは見かけることも少ないと思えばこそのよさがありました。それでも、国宝二点をはじめ、有名茶碗も揃っていて、各地方の陶器、その茶碗という紹介が初心者向けでありがたく、じっくりと眺めて読める一冊でした。2018/11/06
万葉語り
18
お稽古で、志野とか黄瀬戸とか楽焼とか、先生が説明して下さるのですが全く素養がなくて何回聞いても忘れてしまうので、図書館で借りてみました。どれも逸品ぞろいでしたが、中でも唐物の遥変天目が素晴らしかったです。2014/07/06
Tomoko
5
美術館の解説本というか、教科書みたいな本でした。手元に置いて、何度も眺めたい。茶道の世界に踏み入れたことで、関連する文化の深さに気後れするばかりです。2017/01/30
朝吹龍一朗
3
「同じ中国から喫茶の風習を学んだヨーロッパ人と日本人ではあるが、日本人はん地味で見苦しい茶碗で茶を飲み、ヨーロッパ人は金銀の器あるいはそれを模倣した白磁や色絵の器で茶を飲む」といい、茶碗に日本人の精神史を見出す著者の独善には同意できないが、茶碗の味方を丁寧に何度も同じことを繰り返し説いてくれているので、実に勉強になる。この本の中の茶碗のたった一つでさえ購えないけれど。2011/02/15
クサバナリスト
1
東京国立博物館『茶の湯』展の予習として展示作品の箇所だけ読んだ。2017/04/21