対訳 フランス語で読もう「異邦人」

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  • サイズ A5判/ページ数 278p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784808606459
  • NDC分類 857.7
  • Cコード C0085

出版社内容情報

【ノーベル賞作家、アルベール・カミュ『異邦人』。世界文学に燦然と輝く名作を、
40年ぶりの全文新訳で贈る、待望の「仏日対訳」版】

1942年、「不条理」の思想を小説の形で示し、戦後の文学・思想界に大きな影響を与
えた、20世紀の古典文学『異邦人』。刊行70周年記念出版。
見開きで、左ページにフランス語原文、右ページに日本語訳。大きな活字でとても読
みやすい対訳書です。原作理解を深めながら読解力をつける丁寧な注解つき。
巻末付録:訳し方の手引き、フランス語文法のおさらい。作品中の例文を利用して、
語学的知識を整理し、より深めることを可能にします。

■「はじめに(本書の使い方)」より:
「対訳 フランス語で読もう」シリーズにアルベール・カミュ(1913-1960)の『異邦
人』が加わります。これはカミュの作品中、最も多くの読者を獲得した小説で、フラ
ンスの高校の教科書にも取りあげられています。シリーズ前二作『星の王子さま』
『木を植えた男』同様、明らかに20世紀フランス文学の古典の一つです。文体も明晰、
端正で、初級文法を終えたばかりの読者にもアクセス可能です。

本書でも、第一作『星の王子さま』の訳注者、小島俊明先生のプランをお借りし、
「対訳」(p.5~217)に「注解」(p.219~252)「訳し方の手引き」(p.253~258)
「フランス語文法のおさらい」(p.259~276)を付しました。
「注解」は第一部第一章を特に重点的に扱っています。この章を注解を頼りに読むこ
とで、全般的な文法の復習ができます。それ以降の注解は、さらなるレベルアップの
ためにご利用ください。「訳し方の手引き」は、フランス語と日本語の構造的な違い
を認識するためにも使えます。「フランス語文法のおさらい」は、作品中の例文を利
用して、語学的知識を整理し、より深めることを可能にします。ここに引用した以外
にも、印象深い文はまだ沢山あります。本文を読みながら、例文を補充し、自分専用
の「おさらい」を作ってみてください。

フランス語で小説を読む――これほどの喜びはありません。本書が、そのような得難
い体験へのひとつのステップとなれば幸いです。『異邦人』が出版されたのは1942年。
今年は出版70周年にあたります。しかし、これは決して古びることのない作品です。
物語は、《Aujourd'hui maman est...(きょう母さんが…)》という有名な文で始ま
ります。この《きょう》は、一人の読者が初めてこの本を開く、まさしく、その《きょ
う》にほかなりません。

■「あとがき」より:
『異邦人』の主題の最初の粗描が、カミュの創作ノートである『手帖』にメモされる
のは1937年のことです。ヨーロッパは1939年9月に第二次大戦に突入。そして1940年、
カミュは『手帖』に、《五月、『異邦人』を書き終える》と簡潔に記します。日付は
ありませんが、前後の状況からして、おそらくカミュはこの小説をパリ、サン・ジェ
ルマン・デ・プレのあるホテルで書き上げたと思われます。その直後、1940年6月ド
イツ軍がフランスに進撃しパリに無血入城。カミュはその原稿を持ってパリを一時離
れます。原稿は、やがて友人のパスカル・ピアの手を経て、アンドレ・マルローに。
マルローはこれをガリマール社に送る。同社は即座に出版を決定。ドイツ占領下のパ
リでは出版に際して検閲があったが、原稿を受け取った検閲官は夜を徹して読み、そ
の文学的価値を確信。こうして『異邦人』は1942年6月15日、紙不足のなか4400部の
出版にこぎ着けます。翌1943年2月、早くもジャン=ポール・サルトルが『異邦人解説』
で、その独自性に評価を与え、以降この小説は古典への道を歩み始めます。

▼姉妹書
『対訳 フランス語で読もう「星の王子さま」』
『朗読CD フランス語で聴こう「星の王子さま」』
『対訳 英語で読もう「星の王子さま」』
『対訳 フランス語で読もう「木を植えた男」』

内容説明

フランス語原文と日本語訳が見開きで読みやすい対訳書。原作理解を深めながら読解力をつける丁寧な注解。巻末付録:訳し方の手引き、フランス語文法のおさらい。

著者等紹介

カミュ,アルベール[カミュ,アルベール][Camus,Albert]
作家。1913年11月7日、フランス領アルジェリアに生まれる。第一次大戦で父を失う。小学校の教師に天分を見出され、奨学金を得て上級学校進学。高校時代に結核を発病。演劇、ジャーナリスムなどを体験した後、執筆活動に入る。戦後フランスの最も影響力ある作家の一人。1957年、ノーベル文学賞。1960年、自動車事故で死亡

柳沢文昭[ヤナギサワフミアキ]
盛岡大学文学部教授。埼玉県に生まれる。上智大学外国語学部フランス語学科卒業。同大学院フランス文学専攻博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yasu41

7
フランス語難しい。日本語でも難しい。立派な本なんだろうけど。再読必須です。2015/03/04

こずえ

0
フランス語本格的に勉強したいひとむけ。星の王子様より読みやすいかもしれない。ただ朗読CDがないからリスニング勉強できないのが残念

Sin'iti Yamaguti

0
昔読んだ「異邦人」が対訳で読めると知り、喜んで読み始めた。私の中級に満たない読解力では難しいかと思われたが、実際に読み始めると、カミュの短くたたみかけるような文体がむしろ初心者に適しているように思えた。ただし、読み進めるほどに、自由間接話法などフランス文学らしい文体が頻出するが、それにも徐々になじむことができ、懇切丁寧な訳注がその理解を助けてくれる。もう一度最初から対訳なしで読み直してみたい。2016/01/04

Supernamako

0
フランス語の勉強のためではなく、 窪田啓作以外の人が訳したものを読んでみようと思い買った。 窪田啓作訳よりも平易な言葉で表現している箇所がいくつかあり、読みやすかった。巻末にフランス語の基本的な文法と、訳についての注釈が載っている。勉強する人にとっては便利だと思う。2013/12/06

にしの

0
フランス語は読めないので、新訳のつもりで読みました。文字が大きいので読みやすいです。2019/06/08

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