目次
受け師の道 百折不撓の棋士・木村一基(タイトルを取った日;後手修業の日々;先手タイトルの壁;後手不屈の魂;先手激闘、王位戦七番勝負;後手王位・木村一基)
王位獲得記念トークショー(王位戦を振り返って;素顔に迫る)
第六十期王位戦七番勝負 棋譜
思いがけない出来事 王位・木村一基
著者等紹介
樋口薫[ヒグチカオル]
1979年、京都府綾部市生まれ。東京大学工学部卒業後、中日新聞社に入社。地方勤務、東京本社(東京新聞)社会部を経て、2014年から文化部。将棋のほかに文芸、囲碁、クラシック音楽を担当してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばんだねいっぺい
27
「誌面の都合上」という言葉が浮かんだ。本書に書かれているよりも、悔しい思いとずっとずっと戦いながら、勝利へのか細い道をつかみ取り、栄冠を得たんだなと思った。米長さんの例と重なることになるとは、まさに、歴史は繰り返す。2020/08/21
kanki
26
あんパンなど、史上最も昼食にお金をかけなかった棋士(^^)。将棋好きにはとても面白かった♪2022/01/06
しーふぉ
23
普通将棋の師匠が弟子に指導したりしないらしいが、木村さんは奨励会の講評をしてあげ、指導対局を毎月、自分の対局のための研究もしなければいけないのに、自分の時間を削って、弟子1人1人にしてあげるという。また、女流棋士の西山さんが足を引っ張ってしまうからと研究会を辞退しようとしたところ、引き留められ、A級復帰のお祝いのメールした時に、西山さんとの研究会のおかげです。と返事が来たのが嬉しかったとのこと。面倒見が良くて、面白くて、酒飲み過ぎて失敗したりする木村一基さん格好いい。2021/07/17
るっぴ
19
「千駄ヶ谷の受け師」。タイトル戦7回目の挑戦で、王位のタイトルを取ったが、初防衛戦で、高3の藤井聡太にぼこられている時に読了。やっぱり、将棋界に大器晩成はない、読んでると悲しくなってきた。2020/08/23
ま
17
人柄が素敵な百折不撓おじさん。タイトル戦で敗れ続け、失意のまま帰宅するも奥さんに合わせる顔がなく家に入れず、奥さんは奥さんでその時家で号泣していたというエピソードに胸を締め付けられる。報われて良かった。「細い攻めを繋げる技術の向上により、受ける側は一つでもミスがあると負け、割に合わない」「形勢を可視化できる。これをうまく解説に取り入れれば、将棋はもっと面白くなる」受け師として、解説名人としてAIの台頭について独特の感触を持ってるのも印象的。弟子の高野五段との記念対局(p123)がすごくいい写真。2021/06/05