内容説明
東京をくまなく探索徘徊。足掛け5年、よくもくねくねしたものです。街の秘密、楽しみ、さまざまな営みやその成り立ちを現場でナニして参りました!
目次
千代田区―ハトを追いカラスに餌を遣る老婆
中央区―爆発の名残りも寂し数寄屋橋
港区―女の子履いたか吐いたか赤い靴
新宿区―アニョハセヨカンサハムニダペ・ヨンジュン
文京区―孔子廟をくぐり抜け見上げる金魚屋の坂に
台東区―新にゃか君河童の立つ瀬を奪いけり
墨田区―座布団を投げたら「玉屋」と花火好き
江東区―知らぬ角一つ曲がれば忠魂碑
品川区―品川は港区目黒は品川区
目黒区―ホームラン打ったはナボナのお陰かな〔ほか〕
著者等紹介
松尾貴史[マツオタカシ]
1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、「折り顔」作家など、幅広い分野で活躍。東京・下北沢と大阪・福島にあるカレー店「般゜若(パンニャ)」店主。『季刊25時』編集委員。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
18
中央区では坂口安吾や太宰治が訪れた文壇バーや、立川談志が溺愛したバー「美弥」へ、江東区では砂町銀座商店街でなぎら健壱に変身、武蔵野市では情報番組のコメンテーターをやっていた時の、声を荒げた事を思い出す・・・足掛け5年、東京(+その近郊)を探索徘徊した記録。2017/11/06
Kenji Hori
6
東京新聞に連載されたエッセイ。千代田区を初めとして23区を周り、その後近郊の都市も周る。とにかく緩い。行き当たりバッタリで、食事時には酒もOK。ウンチクが少ないのは松尾さんが関西出身だから。ほとんど初めて行くようなところもある。本人があとがきにも書いているように、決してガイドブックにはならないけど、読み物としては、そこそこ面白い。東京のエッセイ(コラム)と言えば、泉麻人さん。ぼくも大好きだけど、彼が連載を引き継いだらしい。2017/09/28
mike101486
4
好きだったラジオのサイエンストーク番組「夢★夢エンジ」MC松尾貴史さんの本。書き手の人柄がよく表れている作品。 最終章のストレスに関する記載には凄く共感できた。 /// 気になった言葉 /// 「視点を変えることで、ストレスは良質なものに変化させることが可能。」 「ストレスというレンガを積み上げて、その上に乗って高みを目指している。 せっかく溜めたストレスを解消してしまったら、元の木阿弥である」 「旅とはストレスのデパートなのである」2019/01/10
じゅん
4
街並みとじゃれあいつつ、謎を紐解いたりスルーしたり、難癖をつけながら気の向くままの散策。筆者が語るようにガイドブック的には使えません。人それぞれの街の楽しみ方を指南してくれているのでしょう。足立区の銭湯の「わ板(沸いた)」「ぬ板(抜いた)」看板情報にときめいたけど、一番心を打たれたのは「あとがきのくねくね」でした。世田谷区の章:この街が素敵なのは、お仕着せのマニュアルよりも、その時、その場の雰囲気や状況で、自然とそこだけのルールができていく予測できない快適さがある2018/01/24
佐藤治彦
4
23区とその周辺の市まで、ひとつひとつ、例えば、世田谷区について、松尾貴史がくねくね歩きながら語って行く。先ずは書店で自分の住んでいたり、よく出かける、もしくは興味のある場所の章を読んでみればいい。キッチュ節は濃いので合う人合わない人がいるからだ。そんで、こりゃ美味しいなと思ったら買っておきざーっと一読したら、今度自分がそこに出かける前後に読んでみよう。街歩きが何倍も楽しくなること請け合いである。できれば、ほろ酔いかげんで読むと読んでる方もくねくねしながら読めて面白い。2017/09/03