内容説明
初参加のオリンピックでの死闘と歓喜。それは日本サッカー進撃の狼煙のはずだった…
目次
第1章 若きサムライたち(初の五輪代表;竹内悌三と黎明期のサッカー)
第2章 ベルリンへの道(出発;シベリア横断鉄道)
第3章 ベルリンの奇跡(ヨーロッパの洗礼;再出発;ベルリンの奇跡)
第4章 戦火の彼方へ(消えた聖火;餓島、墓島;母と見た映画)
第5章 光の花束(シベリア鉄道に揺られて;東京タワー)
著者等紹介
竹之内響介[タケノウチコウスケ]
1959年、東京都に生まれる。日本大学を卒業後、CM制作会社を経て94年よりフリーのCMディレクター。仕事のかたわらシナリオセンターでドラマを学び、城戸賞、日本方送協会創作ラジオドラマ大賞のファイナリスト。小津安二郎記念短編映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル入選
賀川浩[カガワヒロシ]
1924年、神戸市に生まれる。神戸一中、神戸経済大(現・神戸大)、大阪クラブなどでサッカー選手。全国大会優勝、東西対抗出場、天皇杯準優勝などの経験をもつ。1952年からスポーツ記者、1975年から10年間のサンケイスポーツ編集局長(大阪)などを経て現在フリーランスとして、現役最年長記者。2010年日本サッカー殿堂入り、2014年に神戸賀川サッカー文庫を開設し、2015年にはFIFA会長賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
5
1936年のベルリンオリンピックで、初出場のサッカー日本代表チームは、1回戦で優勝候補のスウェーデンに3対2で勝利した。本書は、主将を務めた竹内梯三ら当時の選手たちの、国内合宿からシベリア横断鉄道による長旅を経て現地での練習試合と対スウェーデン戦に至る栄光の記録であり、その後の不幸な戦争が彼らを見舞った悲劇の記録であり、故竹内梯三の娘で世界的照明デザイナー、石井幹子の仕事を通じ描かれる未来への希望と平和への祈りである。一年の最後にいい本を読んだ。目下、順風満帆とは言いがたい。しかし、希望は常に絶やすまい。2019/12/28
さんつきくん
3
1936年ベルリン五輪において男子サッカー日本代表が優勝候補のスウェーデンを破った、日本サッカー史に残る伝説「ベルリンの奇跡」を扱ったノンフィクション。プロ化されていない黎明期の、しかも戦前の出来事。2-0からの大逆転!サッカーの歴史を読む上でも興味深かった。当時のサッカー事情とチーム構成。ベルリンまでの道程。迫力ある試合描写。試合前後のイレブンの様子が興味深く描かれている。試合後、代表選手は戦地へ。その中には戦争で命を落とした者も。どんな末路を追ったのか。ある選手の子孫の思いも。2016/03/30
やぶやぶ
2
★4 親族が登場してます。皆さん読んで下さい。2016/01/02
Mimuchi
2
ベルリンオリンピックでのサッカー歴史的勝利に関する物語。サッカー先達たちの情熱を感じることが出来るし、その後の戦争への関わりを通して平和に関して考えさせられます。この時のメンバーの娘である照明デザイナー石井幹子さんの思いに繋がっている物語も素晴らしい。2015/11/27
お昼の書棚
1
「奇跡の真実」 日本代表サッカーチームがベルリンオリンピックにおけるスウェーデン戦で、題名が表わす通り、誰もが予想していなかった結果をもたらす真実の話である。戦前からの日本サッカー史をひもとく書籍が少ないなか、当時の実情がよくわかる貴重な一冊といえる。現在のサッカー界の繁栄の礎はここにある。サッカーにとどまらず日本のスポーツ史を知る良書である。2021/06/24