内容説明
アルパインクライマーのリスクマネジメントについての研究を核に、一般登山者が山でのリスクに向き合うための理論を豊富な資料に基づき解説するとともに、そのスキルを実践的に高めるアクティブ・ラーニングの手法も提案。山でのリスクへの責任やリスクの意義についても考える。
目次
第1部 リスクを知る(なぜ、「リスクマネジメント」なのか?;登山にはどんなリスクがあるのか?)
第2部 リスクに対処する(アルパインクライマーの実践的リスクマネジメント;多様なリスクへの具体的対応;リスクマネジメント実践演習)
第3部 リスクを考える(リスクの倫理:誰がリスクに備えるべきか?;リスクを楽しむ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りっちー
1
登山における事故について、その要因や兆候、対策等を具体的に検証し、その意味を丁寧に解説した書。登山以外にも活かせる理論なので、山に登らない人にも読んで欲しい。ビジネス書としても読めるし、普段の学習や生活のとらえ方のひとつとしても役立ちます。オススメの一冊。2022/03/31
Yoichi
0
2013年2月、50代のH夫妻が西穂の独標付近で遭難し、遺体で発見された・・・という衝撃的な書き出しです。2017/03/26
ressenti-man
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図書館で見掛けた山関連本の週末読書第二弾。これは買おうかと思っていて、実際持っていてもいいかな、と。横書きで判型も大きいが、これは教科書っぽくしているのかな。アカデミックなアプローチで網羅的に書かれているのはいいのだが、一般読者向けではない感はあるので、この成果をもう少し噛み砕いた啓蒙書なども出してもらえるといいような。2015/10/04
つんどら(拭く垢)
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三部構成。第一部でそもそもリスクとはなにか、第二部で山でリスクマネジメントする上での根底的な考え方やリスクの実例及び対策法、第三部でリスクを考える上での現代的な問題点、争点を扱っている。「山」という局所的で極端な環境が主題であるが、リスクとはなにか、どう向き合うべきかを実例を伴い体系的に学ぶことができ、その思考過程は日常生活にも充分に応用することができるものである。登山をする人、危険な環境下での仕事やアクティビティを行う人は勿論、「リスクとは無関係だ」と考えるような人にこそ読んでもらいたい一冊。2015/09/08
yasu kash
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★★★★☆リスクに対する考え方が分かる本。実際に安全マニュアルを作成する際にも役に立つ。自分のリスクに対する感受性を上げるためのトレーニング的な部分もあり、ちょっと真面目に取り組むには時間が必要かな。2020/01/26