内容説明
昭和16年12月8日に始まった太平洋戦争。戦っていたのは、戦地に赴いた兵士だけではなかった。残された者たちも、戦況悪化の中、生きるために戦っていたのだ。乏しくなる食料、厳しくなる統制―。そして19年11月、いよいよアメリカ軍による空襲が始まった。空襲が開始されてから終戦まで、日本本土が戦場となった「銃後」の10カ月。東京大空襲・戦災資料センター館長でもある早乙女勝元氏が描く庶民の暮らしと、同センター所蔵の貴重な写真、資料をもとにした空襲下の日録が、戦争の真実を鮮やかにあぶり出す。
目次
昭和19(1944)年(B29がやってきた;粉ミルク一缶に親の涙)
昭和20(1945)年(『暗黒日記』と決戦兵器;和平ならずに雪天空襲;東京が火の海になった;らっきょうと金魚;炎されやまない人たち;銃後も一人残らず武装せよ;コメの配給一割減となる;一五日の正午までに)
著者等紹介
早乙女勝元[サオトメカツモト]
1932年、東京生まれ。12歳で東京大空襲を経験。働きながら文学を志し、自分史『下町の故郷』が20歳で刊行される。『ハモニカ工場』発表後はフリーで、ルポルタージュ『東京大空襲』(岩波書店)が話題になる(日本ジャーナリスト会議奨励賞)。70年、「東京空襲を記録する会」を呼びかけ、同会による『東京大空襲・戦災誌』が菊池寛賞を受賞した。99年に映画『軍隊をすてた国』を製作。2002年、江東区北砂に民立の「東京大空襲・戦災資料センター」オープンに尽力、館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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