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Suicaが世界を変える―JR東日本が起こす生活革命

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784808308926
  • NDC分類 686.51
  • Cコード C0036

出版社内容情報

現在、発行枚数2300万枚。単一商品が短期間でこれほど売れたことは世界の商品市場でもかつてないことだった。改札機に一瞬触れただけで通過できるSuica(スイカ)カードは、またたくまに全国へ普及し、1枚のカードで日本中の電車とバスに乗れることを可能にしただけでなく、電子マネーへの応用などキャッシュレス社会の実現に向けて大きな可能性を広げている。その開発者であるJR東日本の椎橋章夫がはじめて明かす「魔法のカード」の誕生秘話と成功への秘訣。鉄道会社の枠を超えて、生活革命へ乗り出した未来戦略とは何か。ビジネスマン必読の開発物語がついに登場。

【目次】
=第1章=Suicaが開けた新時代のトビラ
夜明けとともに始まったSuicaの旅立ち/発売わずか19日で100万枚を突破/Suicaはなぜ画期的なのか/Suica5つのコンセプト/JR東日本が抱えていた切実な問題/自動改札機とはどんなシステムなのか/券売機から始まった自動化の歴史/乗車券印刷の進化にはいくつもの壁があった/自動券売機と普通の自動販売機が異なる点/自動改札機の開発は関西の私鉄が先行した/新生JR東日本の近代的イメージに欠かせなかった自動改札機/自動改札機のさまざまな機能/処理スピードが問われる自動改札機/キャッシュレス方式の先駆けとなったSFカード/世界の現状と日本の鉄道の特殊事情/だからこそ必要だったSuicaシステム

=第2章=鉄道ができる本当のサービスとはなにか?
鉄道会社で仕事をすることが夢だった/最初の仕事は車両のメンテナンス/メンテナンスも車両の運行と同じ綿密な計画が必要/嵐の改革時代に技術の進化もストップした/情報システム部でコンピュータと向き合う/ネットワークが完成するも分割・民営化が仇となる/駅の設備から見えてきた本当のサービス/駅の設備には大がかりな工事が必要

=第3章=夢のカードへの挑戦が始まった
切符の進化と自動化への挑戦/磁気式からICカードシステムへ/接触式か非接触式かICカード二つの方式/磁気式の決定がICカードの出番を奪う/雌伏下に続いていたICカードへの挑戦/無線で行う情報交換で試行錯誤/ラグビーボール型の通信領域が招いた失敗/通信領域を改良して第2次フィールド試験へ/バッテリー内蔵からバッテリーレスへ/香港で先行したICカードとソニーの果敢な挑戦/解決できなかった改札処理時間の短縮/「かざす」から「ふれる」で乗り越えた難関/ICカードに付加されたさまざまな機能/ついにSuica実現に向けてレールが敷かれた

=第4章=Suicaプロジェクトが立ち上がる
二人で始まったSuicaプロジェクト/終わりのないプロジェクトが始まった/周到な根回しと役員FD/ゴーサインに必要だったビジネスモデルの構築/導入経費の130億を回収せよ/メンテナンスコスト削減でつかんだゴーサイン/磁気式改札機に多かった可動部のトラブル/3重の同心円で描いたSuicaの未来図/ペンギンのキャラクターとネーミングが決まる/Suicaに織り込むさまざまな新サービスを検討/意見が分かれたID機能の搭載/自然に行き着いていた自律分散システム/海外から舞い込んだトラブル/首都圏すべてにSuicaを導入せよ/無線の法律も変えたSuica

=第5章=Suicaスタートまで続いた苦闘
ネットワーク化で露呈したSuicaの弱点/実際の路線で行われたモニター試験/モニター試験でわかった意外な反応/手応えを感じた最終試験/最後まで難関だったリライト技術/運命のSuica開始日が決まる/当日の一斉切り替えをどう乗り切るか/Suica開始3日前にトラブル発生

=第6章=相互利用開始。Suica第2章へ
Suicaプロジェクト成功の秘密/プロジェクトではミッションを理解させることが先決/プロジェクトの支援組織をつくる/50歳で東工大へ入学。博士号へ挑戦/大学生活と会社の仕事を両立/PASMOとの相互利用がなぜ画期的なのか/世界最大規模の交通ICカードシステムが誕生/JR各社が再びICカードで結ばれる/バスという毛細血管まで行き渡ったSuica/相互利用のメリットとオープン化戦略/SuicaとPASMOの相互利用がスタート/ICカードへの国内各社の取り組み/ポストペイにこだわった関西の私鉄/定期券をなくした画期的なPiTaPa/Suica右肩上がりのヒミツ/Suicaの利用増が示す鉄道の需要喚起/Suicaが各賞を受賞

=第7章=Suicaは世界をどう変えるか
システム管理室から届いた重大事故の連絡/改札機を開放したはじめてのトラブル/確認列車を走らせるようにシステムを監視する/社会インフラとなって責任も重大に/生活革命へつながる電子マネーへの展開/相互利用と電子マネーの展開/さらに利便性が向上したクレジットカード/携帯電話と合体したモバイルSuica/Suicaが目指す限りない進化/鉄道が世界を変えた3つのことシステム/海外から舞い込んだトラブル/首都圏すべてにSuicaを導入せよ/無線の法律も変えたSuica

内容説明

スイカ大躍進のヒミツ。前代未聞のSuicaプロジェクトはこうして成功した。世界最大規模の交通システムネットワークとICカードが開け放った巨大ビジネス。鉄道の枠を超えて進化するJR東日本の未来戦略とは。

目次

第1章 Suicaが開けた新時代のトビラ
第2章 鉄道ができる本当のサービスとはなにか?
第3章 夢のカードへの挑戦が始まった
第4章 Suicaプロジェクトが立ち上がる
第5章 Suicaスタートまで続いた苦闘
第6章 相互利用開始。Suica第2章へ
第7章 Suicaは世界をどう変えるか

著者等紹介

椎橋章夫[シイバシアキオ]
1953年、埼玉県生まれ。1976年、埼玉大学工学部機械工学科卒業。同年、日本国有鉄道入社。1987年、国鉄改革により東日本旅客鉄道(株)入社。本社設備部旅客設備課長などを経て、本社「鉄道事業本部Suicaシステム推進プロジェクト」担当部長としてSuicaプロジェクトの指揮を執る。現在、IT・Suica事業本部副本部長。2006年、東京工業大学大学院卒業。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

naimon

15
「Suica」を世に送り出した方が書かれた本。どこまでも「乗客」を意識し「日本独自」を貫く。歴史・技術・設計思想・プロジェクト運営方法等もバランスよく書かれていて読みやすい。たぶん、この人が居なければ電子マネーというモノは広まっていなかったんだろうと感じる。メーカー側視点で書かれた「フェリカの真実」を併せて読むと更に面白い。2012/07/30

しょ

2
お堅そうなJRでこのような変革を生む熱意はものすごいものがあったと感じた。技術者としてだけでなく大組織の一員としての様々な能力を発揮できないと成し遂げられない偉業だろう。Suicaの原形が自動改札機導入前から議論されていたのは知らなかった。初めて改札機のタッチ部を見たとき、なんだこれ?って不思議に思った日が懐かしい。2022/12/16

Yone

1
素晴らしい。ベンチャーの創設者のように大きな野望を持った社員が壮大なプロジェクトを成功させた話。JRのような大企業だからこそできた部分もあるだろうが、刺激を貰えた。もはや当たり前のようにモバイルPASMOで毎日コーヒーを買ったりしているが、この世界線を作り上げた人達がいるということを改めて実感し、感謝。2023/01/16

工作魂

1
ホント偉業。磁気式のものが既にあるだけに、そこからSuicaヘ移行するのは、全く新規なものよりはるかに大変だったと思う。しかも、ネットワークやら非接触のために電波法が買啓したり、更に磁気式の入れ替えタイミングまでという期限もあるので、よくこの短期間にこれだけのものを作り上げたものだと感心する。作りながら分かるものもあるけれど、開始時に出来る限りの想定を行い、優先順位を付けることの大切さが非常によくわかる。2022/09/30

ウエ

1
概ね面白かった。Suica開発の経緯や少し古いが今後について展望まで語られていてうまくまとめられていると思う。 モバイルSuicaやMaaS、新幹線のタッチ&ゴー、その他国内のICカード事情について筆者の書いたものがあればまた読みたい。 ただ問題点を挙げると若干表現が誇張されていたり、Suica最強主義(自分の開発したものに自信を持つことは大変良いことであるが、ちょいと言い過ぎでは?)を感じた。2021/03/18

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