出版社内容情報
内気な少女は歌と出会い、童謡歌手としての道を歩き始めた。戦中戦後を通じ、ラジオから響く彼女の愛らしくのびやかな歌声は、荒廃した日本人の心を癒し、明日への希望の光を灯していった。本書は、自らその越し方を振り返り、書き綴った一冊。それは、一人の童謡歌手が見た昭和の記録でもあり、なつかしい数々の童謡のエピソード集でもある。
「森の木児童合唱団」の主宰として、子供たちの指導にもカを注ぎ、現代の子供たちの心も見守った。童謡は、次の世代に受け継ぐべき、日本人の宝物。著者のひたむきな生き方の記録に引き込まれつつ、童謡にまつわる思い出を呼び覚まされ、温かな気持ちになれる自叙伝である。
内容説明
「みかんの花咲く丘」「里の秋」など、心温まる名曲を歌い続け、また、「森の木児童合唱団」を主宰して、歌手生活60周年を迎えた著者が初めて綴る自伝的エッセイ。
目次
第1章 「みかんの花咲く丘」を歌った日
第2章 私の家族
第3章 戦時中も歌い続けて
第4章 スターとして歌う日々
第5章 私の好きな曲、大切な人々
第6章 引退と声楽家への道
第7章 結婚、育児、そして歌の指導
第8章 森の木児童合唱団誕生
第9章 子供たちの声を育てる
第10章 未来へ歌い継ぐ童謡
著者等紹介
川田正子[カワダマサコ]
1934(昭和9)年東京に生まれる。作曲家・海沼実氏と出会い、7歳から童謡を歌い始める。戦中もラジオに出演し、その歌声で人々を励まし続けた。1946(昭和21)年、戦後の荒廃の中、「みかんの花咲く丘」が大ヒット。少女歌手として圧倒的な人気を得た。「里の秋」「とんがり帽子」などヒット曲多数。また、妹の孝子、美智子も童謡歌手としてデビューし、「川田三姉妹」として名を馳せた。しかし、変声期に差し掛かり、13歳で引退。その後は声楽の勉強に励み、音羽ゆりかご会、川田正子音楽教室の指導者として活躍した。1979(昭和54)年、自身が主宰する「森の木児童合唱団」を設立。童謡歌手としてのカムバックも果たし、歌手として、指導者として、多忙な日々を送る。2001(平成13)年、歌手生活60周年を迎えた
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