内容説明
2000年のいま、ふり返る明治・大正・昭和・平成四代の名作と、将来への明るい展望島崎藤村、北原白秋から現詩壇の旗手、吉増剛造、荒川洋治まで、脈々と流れる詩の本流をさぐる。『詩の作り方』入門書の変遷も紹介する。
目次
第1章 現代詩の歩み―100年(森鴎外ほか訳「ミニヨンの歌」;島崎藤村「小諸なる古城のほとり」 ほか)
第2章 現代詩のさまざまな魅力(真の“現代性”を求めて―本多寿、山之内まつ子;大いなる“笑い”のために―飯島耕一、荒川洋治 ほか)
第3章 入門書『詩の作り方』の移り変わり(新体詩の時代;“新しい詩”の時代 ほか)
第4章 詩人の雑記帖(現代詩の資料あれこれ;初心探し―詩アンソロジーをめぐって ほか)
感想・レビュー
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袖崎いたる
5
現代(まで地続く)詩の歩みを追慕しながら著者の文学観や感動の肌理に沿って紹介してくれている。知らない名前の意外な魅力を取り上げてくれたりと、読者のリテラシーを研いでくれる。disっておくべき不出来な作品にも目配せしてあったりと、余念がない。度肝を抜かされたのは山之内まつ子って詩人。この人すごい。女性で詩人として開花したときに到達できる位相って尋常じゃないよな。たまげる。男性陣は観念的な凝り固まりに苦悩していて、田村隆一とかね、それはそれで感動的かものがあるのだけれど、与謝野晶子といい、女性詩人には脱帽する2021/02/05