内容説明
経済のグローバル化により日本の化学企業が競う相手はいまや欧米の名門企業や台頭するアジア・中東の新興企業だ。存在感あるグローバル企業はどのような強みをもつのか。化学企業の強さは研究開発力だけでははかれない。企業経営や化学産業の歴史を交えて、世界の化学企業21社の強みを探る。
目次
1 百年ぶりの変革期にある世界の化学産業
2 世界の主要化学企業(3M(スリーエム)―ユニークな製品を生み出し続ける
デュポン―現代の企業経営学の祖
P&G―人材育成とマーケティングで伸びる
BASFとバイエル―ドイツというアイデンティティー
ダウ・ケミカル―驚異のフォロワー戦略 ほか)
3 世界の視点から見た日本の化学企業(ブリヂストン、武田薬品工業、三菱ケミカルホールディングス世界トップテン入りなるか)
著者等紹介
田島慶三[タジマケイゾウ]
日本化学会フェロー。1948年東京都に生まれる。1972年東京大学工学部合成化学科を卒業。通商産業省および化学会社勤務を経て2008年に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
7
世界の化学産業は、第一次世界大戦後に並ぶ変革期にある。欧州、米国、日本の三極体制に対して、新興化学産業国が急速に存在感を高めている。本書は新興企業を含め特徴ある化学企業を紹介している。顧客ありきの3M。現代企業の経営の祖デュポン。マーケティングとブランディングのP&G。研究開発力のBASF、バイエル。機能化学品のダウケミカル。石油化学のエクソン。政治力を駆使するファイザー。バイオ医薬のロシュ。資金調達が上手いアムジェン。特許ビジネスのモンサント。企業買収と事業売却のアグゾノーベル。医療ガス会社リンデなど。2014/08/04
G
1
図書館本。有名化学企業の合併の歴史って感じ。2022/07/29
ぷりん
1
各社の歴史・強みが客観的に書かれており、業界の概要を知るうえで大変参考になる本だった。特に、化学企業というくくりで塗料から医薬まで幅広く書かれていた点、創業から現在までのM&Aの経緯を知ることができた点がよかった。今までは企業名だけで「ああ、大きい会社だ、すごい」と思いがちであった。しかしこの本を読んで、本当の課題や抱える問題について、初めて考えることができた。理系の学生や、化学系に勤める方にお勧めな本。表紙は古臭く読みづらそうに見えるが、中身は知識ゼロのひとでもわかるように丁寧に説明がある。2015/08/26
Great Eagle
1
なかなか興味深い内容の本でした。化学業界は幅が広く、しかも目で見てプロセスもわからなにので難しい分野との印象ですが、グローバル企業の動向を俯瞰するいい内容でした。特に欧米では、M&Aを通じて集中や分散が常時行われることで、一企業の事業内容がドラスティックに変革しているということを窺い知りました。新興国の会社の動向も要注視ですね。そして、日本の化学メーカーはどうするのか、グローバルな視野で経営してもらいたいものですね。2014/06/01
ロバーツ
0
歴史を紐解くと次の行動へのヒントがある。2020/03/21