出版社内容情報
中国四大奇書の中で実は最も広く読まれているといわれるのが「金瓶梅」である。世上そのエロチックな表現に関心が集まるのが常であったが、中国社会を理解する上で貴重な歴史文献との評価が高く、中国共産党も87年春に再評価のスポットをあてた。
内容説明
性と政の究極の姿を近世初期中国の一家庭に凝縮した奇書「金瓶梅」全訳全一冊化。
目次
西門慶ら十人のものが、義兄弟となり 武松は、兄嫁の誘惑をこばむ
美人の潘金蓮は、簾の下にたたずみ 海千山千の王婆が、誘惑を企む
水茶屋の王婆が「拍子合い」を説き 薬種問屋の遊治郎が女を狙って落し穴
潘金蓮には、つかのまの春の夢 〓（うん）哥は水茶屋で、泣きべその義憤
〓（うん）哥は、密会の男を捕えんと企み 武大は毒薬を盛られ、あの世へ赴く
何九がお金に買収されて口をつぐみ 王婆は不義のたのしみを助けて雨に遇う
なこうどの薛嫂が、金持ちの後家を周旋し 財産分配の問題で、往来では大喧嘩の一幕
待ち人来たらず、金蓮が狂態を演じ 法事に招かれた坊主どもが、淫声を聞く
西門慶が、まんまと金蓮を迎えとり 武松は早まって、小役人をたたき殺す
義士は、孟州の苦役場に島流しの身分 西門家の妻妾は、芙蓉亭で栄華の楽しみ〔ほか〕
