内容説明
盲ろう二重障害を抱え世界初の大学教授に。「苦悩」の意味を問い、「絶望」を「希望」に変える“生きる”エッセー!
目次
1 美しいことば(「光」と「音」を失って;せいいっぱいがんばれや ほか)
2 せつなさと美しさと(父の夢;しっかり生きる ほか)
3 命が美しいのは(桜は散っても;ことばよりも ほか)
4 ことばは光(対談・自分を主語にして生きる;点字・指点字について―知性の輝きと心の豊かさ提供する「命のことば」)
著者等紹介
福島智[フクシマサトシ]
1962年、兵庫県生まれ。3歳で右目を、9歳で左目を失明。18歳で失聴、全盲ろうとなる。1983年、東京都立大学(現・首都大学東京)に合格、全盲ろう者として初の大学進学を果たす。1996年、金沢大学助教授、2001年、東京大学先端科学技術研究センター助教授に就任。2008年、博士号を取得し同大教授に。研究分野は障害学、バリアフリー論。社会福祉法人全国盲ろう者協会理事、世界盲ろう者連盟アジア地域代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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豆ぽち
26
福島先生の言葉には、いつも癒される。強くしなやかで、ユーモラスな語り口に。目も耳も不自由な状態で、その苦しみが純化され美しい結晶となって、今の先生を支えているのかな。こういった方の本は読むと奮起させられるものだけど、福島先生の場合は違う。自分に出来ることを精一杯やったらそれでいいんだ。時々さぼりながらも、自分に与えられた生を精一杯生きたらそれでいいんだと、安心する。「命が美しいのは、幸せを感じられる心があるから」。2016/08/01
Motomi Kojima
6
盲ろうの大学教授福島さんのエッセイ。9歳で視力、18歳で聴力を失った絶望の底から生きてきた道のり。周りのひとの優しさがあったわけだが、強くて優しい福島さんの気持ちに打たれる。エッセイの最後の言葉が素晴らしい。へこたれている時に読み直したい。朗らかに、優しく生きないと。Kindle Unlimited の人は是非読んでください。2017/03/12
Emiko Yamauchi
3
やまゆり園のとある記事を読んだ。伝える言葉に力があり、的確な見解にうなった。彼はなんと全盲ろうらしい。どうやってこのインタビューはなりたってるのか?「指点字で会話する福島智教授」と写真横にある。どんな人生を歩んできたのだろうと本書を買い求めた。エッセイだ。 9歳で失明、光を失い、18歳で音の全てを失った。永遠に続く夜と沈黙の世界。そこに閉じ込められた彼を救ったのが、母親の考案した「指点字」であり、多くの友の存在だったそうだ。 人生で大事なことは、自分を主語にして生きることだと言う。生きた言葉に感動する。2018/08/16
むかい
1
見えない聞こえないからこそ、その辺の人よりずっとずっと考えている……と思うのが普通な気がするけど、見えないからでも聞こえないからでもなく、福島さんだからなんだろう2020/05/30
隼 雄太郎
0
スイッチインタビューで著者を知った。障害を克服される中に人との出会いや真実の発見が生きる支えになったところが感動的だ。2017/05/02
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- 和書
- 標的の空 ハヤカワ文庫
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- 和書
- 先生になってよかった!