目次
第1章 地形に目をこらす(濃い緑を探せ!―海面下の土地;「山越え」する川―吉野川、江の川 ほか)
第2章 境界は語る(福島県の盲腸―飯豊山神社の境内をめぐって;かつての田舎は大都会―日本の5人に1人は武蔵の人 ほか)
第3章 地名や国名の謎(そもそも「イギリス」「オランダ」って何語?;「馬から落馬」のような山河名―シエラネヴァダ山脈、メコン川 ほか)
第4章 新旧地図帳を比較する―地図は時代を映す鏡(鉄道路線の電化・非電化が区別サレテイ控マニアックな地図帳;北海道には「釧路国支庁」があった ほか)
第5章 経緯度・主題図・統計を楽しむ(函館とローマが同じ緯度?;日本で最も長く陸上を走る緯度 ほか)
著者等紹介
今尾恵介[イマオケイスケ]
1959年横浜市生まれ。地図研究家。明治大学文学部ドイツ文学専攻中退。中学生の頃より帝国書院の地図帳を愛読。授業で国土地理院発行の地形図に出会い、地形図マニアになる。現在、(一財)日本地図センター客員研究員、(一財)地図情報センター評議員を務める。『地図マニア 空想の旅』集英社インターナショナル(第2回斎藤茂太賞受賞)、『今尾恵介責任編集 地図と鉄道』洋泉社(第43回交通図書賞受賞)、『日本200年地図』河出書房新社(監修・日本地図学会2019年学会賞受賞)など地図や地形、鉄道に関する著作が多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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KAZOO
137
私はむかしから地図が好きで、父親から東京24区(大田区が大森区と蒲田区になっています)の地図を小学生の時にもらって読み込んでいました。この地図帳の深読みは本当におもしろく、地図のトリビアなどがかなり細かに記されています。また古い地図帳などの情報もあったりしてかなり楽しめました。数年ごとの地図帳を購入しているのですが様々な楽しみ方があるようです。2020/11/16
まーくん
127
小中生の頃、ほとんど本を読まなかった。図書室の記憶もない。読んでいたのは新聞と地図帳。地図帳は楽しかった。授業中、先生の話は聞き流して見入っていた。地名を覚え、友達とクイズ。その頃の気持ちが蘇る。平成の大合併と冷戦終結がこの知識を時代遅れにしてしまったが。平地は緑、山地は茶と塗り分けられた大縮尺地図はGoogle地図とは一味違う。いろいろ地図にまつわる話も書かれていて興味深い。プロの深読みはさすがと感心。最初から読むというより、折を見て興味あるところを読む本だな。うーん、でも、もうほとんど読んでしまった。2019/09/08
へくとぱすかる
103
小・中学校でみんなが使った地図帳からふしぎをひろいだし、文字どおり「深読み」していく。表紙や中身のカラー地図の色あいをなつかしく感じる人も多いはず。なにしろ発行所は地図帳の出版元そのものだ。最近は地理的探求がブームだから、中には他の本で見たことのある話題もあるが、カラーで古い地図と比べるなど、小型本ではなかなかできないワザだろう。文章で述べられただけではイメージがわかない例も、ちゃんと図版で見せてくれる点がありがたい。「脳内縮尺」や「脳内緯度」の錯覚はぜひ知っておきたい。日本の位置を再発見できる。2020/11/06
パトラッシュ
64
小中高時代の教科書で一番熱心に読んだのが地図帳だった。日本では経験できない国境線や珍しい地名をなぞりつつ、まだ見ぬ世界へ憧れを募らせた地図帳は変わらぬ愛読書である。おかげで今では海外旅行に行くと、地図を片手に街中を何時間も歩き回るようになった。そんな懐かしい地図帳に関する様々な蘊蓄を語る地図エッセイは知った話だけでなく思わず膝を叩く初耳話もあり、地図マニアに幸福な時間を約束してくれる。アラル海やロプノールなど行けそうにない地も多いが、様々な土地へ行ってみたい歩きたいとの子供の頃の想いを再確認させてくれた。2020/01/23
Takanori Murai
53
中学生の頃の教科書・副読本の中で一番好きだったのは、地図帳です。受験勉強中もつい地図帳取り出して眺めちゃう。マンガ読んでるのと違って叱られることはない。そんな地図帳を深く掘り下げた一冊。「山越えする川」「海に流れていかない川」「世界の飛地あれこれ」など、机上ブラタモリを楽しみました。2019/11/03