内容説明
本書は主として入院による脱ステロイド・脱保湿療法について述べたものである。本療法は、外来通院でも可能であるが、重症になると入院したほうがよい場合が多い。入院治療を行うには、専門的知識を持つ医師の指導と、訓練された病棟看護師の見守りと、脱ステロイドに理解のある呼吸器内科(喘息が問題となる)、小児科、眼科(アレルギー性結膜炎、白内障などが問題となる)、耳鼻科(アレルギー性鼻炎が問題となる)、心療内科(うつ状態や精神的ストレスなどが問題となる)など、他科との連携が不可欠である。
目次
脱ステロイド・脱保湿は何をするのか
難治化アトピー性皮膚炎
脱ステロイド
脱保湿
免疫抑制剤(プロトピック軟膏とネオーラル)の問題点
口渇と水分制限(調節)
細菌・ウイルス感染対策
入浴の限定的利用
理学療法
痂皮鱗屑をはぎ取る癖をなくす〔ほか〕
著者等紹介
佐藤健二[サトウケンジ]
大阪大学医学部皮膚科講師(1992年1月~)、名古屋市立大学医学部皮膚科助教授(1994年5月~)、公立学校共済組合近畿中央病院皮膚科部長(2000年4月~)、2008年4月より阪南中央病院皮膚科部長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。2008年3月まで大阪大学医学部臨床教授、兵庫医科大学臨床実習教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Gin
4
腹が立った。猛烈に。元々、医療に対する根強い不信感はあったが、皮膚科に対するそれは特に強かった。アレルギーとかアトピー治療に至っては、それこそ宗教だとも思っていた。信仰心がないと、とても続かない。ドクターショッピングなどという生易しいもので片付けないでほしい。患者はただ単に無能な医師に対してNOを突きつけているだけである。…(続) http://t.co/z0xHkUNFo02015/02/11
Kazuko Ohta
2
手の湿疹に使用していたステロイドをやめることを決意。脱ステ・脱保湿を始めて、一時は死んだほうがマシかもというぐらい辛い思いをしました。そのときに読んだのがこの本で、ものすごく救われました。これを読んで自分がどの段階にいるのかもわかりました。特効薬のない皮膚疾患。治療の仕方や心の拠りどころも人それぞれだから、誰かに薦めることはできません。でも私は、この本を読まなければ、脱ステ・脱保湿を途中で挫折していたかもしれません。2017/05/14
723
1
2回読んだ。教科書みたいに難しい内容だけど、自分が知りたいことばかり載っているので、思いのほか読むのはつらくなかった。 この本を読んでいると、世の中の当たり前って本当に正しいのか?と思わせられた。常識や当たり前とされていることほど、疑ってみて、自分で考えることが大事だと思った。 その当たり前によって得をする人がいるのでは? 病気についてだけでなく、物事に対しての考え方も学ばせてもらえた本。2025/04/05
うなばら
1
辛い時にいい治療法がないか死に物狂いで探して読んで、脱ステ脱保湿しました。 回復する要素が自己治癒能力メインになるのでゾンビ状態が長くなり、心身ともにダメージが大きいです。仕事と治療の両立は難しい治療法です。 突然脱ステはとても危険なのでゆるやかに減らしていくのが現行の治療法。
t.u
0
ステロイドや免疫抑制剤等、薬漬けになっていた私を救ってくれた先生の本。比喩ではなく、本当に死ぬほど辛い時期を過ごしたので、皮膚科学会を初めとした権威側の人間に対して憤りしかない。同じ目に遭う人を減らす為にも、社会運動に加わりたいと思う。やはり、医療業界のシステム(処置をするほど儲かる仕組み)を変えないと、なにも解決しないのではないかと思う。非営利化。2025/06/08