ジョーゼフ・キャンベルが言うには、愛ある結婚は冒険である。―ジョーゼフ・キャンベル対話集

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  • サイズ B6判/ページ数 190p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806768036
  • NDC分類 164.04
  • Cコード C0014

出版社内容情報

「神話学の巨人」と呼ばれ、「スター・ウォーズ」の下敷きともなったジョーゼフ・キャンベルの思想のエッセンスを集大成した。
12年間にわたる全米ラジオ放送の対話を再編集した、わかりやすいキャンベル入門の書。

【書評再録】
●毎日新聞評(1997年6月22日)=全体の印象を一言で言うなら、神話学の入門書というよりは、老賢人が衆生に語り聞かせる知恵の書。翻訳者がこの本は「わたしのバイブルだった」と言っているのもうなずける。
●新潟日報、京都新聞ほか評(1997年7月20日)=12年間にわたるラジオでの対話を集めた、わかりやすいキャンベル入門書である。
●東京新聞、中日新聞評(1997年6月22日)=キャンベルの助言を実行するだけでも、なにか貴重な発見がありそうだ。
●週刊朝日評(1997年6月20日)=心理学や宗教、哲学、文化人類学に深い造詣のあった「知の巨人」の思想の神髄にふれられる。仕事の選択法から、人類愛を教える教育の重要性、家族問題、政治まで、心の琴線にふれる至言が詰まっている。
●読書人評(1997年8月8日)=晩年のキャンベルが神話について、宗教について、そして人生について縦横に語ったもので、いわば彼の神話学の応用篇である。

【読者の声】
■女性(26歳)=わかりやすい本で、内容も今の時代の問題の原因となる考え方を指摘したものが多く、たいへん面白かった。アメリカ人の夫には原書を読んでもらったら、無宗派キリスト教の彼もジョーゼフに共感しながら一気に読んだと言っていました。ジョーゼフの考えがより多くの人(世界中の)に受け入れられることを願わずにはいられません。
■女性(28歳)=キャンベルの著書は何冊か読んでいますが、この本は中でも彼の永年語っていたことが集約されていてわかりやすい。翻訳も読みやすかったです。中にはすごく読みにくいのもあるので。

【内容紹介】本書「訳者あとがき」より
 本書はジョーゼフの最晩年に収録された対話を起こした対談集だけに、彼のそれまでの業績が網羅されていると同時に、著書の学術的な難解さに較べて、内容が充分に消化された形で語られており、コンパクトな中にキャンベル入門編といった趣を持つ。彼は手品のように古今東西の神話のモチーフを対話者の前に次々と出してみせるが、神話の内容は例外なく全ての人間に当てはまる冒険、つまり人生を象徴しているのだ、という重要なメッセージを、暖かい人間性と共に投げ掛けている。
 本書では殊に、自分の人生を生きるために至福に従い、人生の挑戦に応えて勇気を持って選択することの大切さを伝えたいというジョーゼフの気持ちが強く表われており、20世紀を生き抜いて現代社会のあり方を憂える老賢人の言葉として、代えがたい重みを感じる。
 アメリカは良くも悪くも現代社会としては常に日本の一歩先を歩いてきたが、戦後復興期以来の経済成長のピークを通り過ぎて次なる目標を失った現在の日本も、彼の言う根深い「荒れ地人生」の問題を抱え込んでいる。物質的な豊かさを追求し、多くの夢を実現しながら、借り手のないオフィスビルのような心の空虚さを持て余した世紀末の日本人。そこには指針として仰ぐべき思想も宗教もない。しかしそこになにかを見いだそうとするのが人間である。
 ジョーゼフの知識は実に多岐に亘り、しかもとらわれずに本質を指摘している。出発点であったローマン・カトリックに対して非常に手厳しく、東洋思想は手放しで絶賛するという傾向は否定できないが、それも宗教における象徴の扱い方に対する批判に発しており、学者としての膨大な知識から普遍的な共通点を引き出した業績には卓越したものがある。彼の想像力の翼に乗って古代文明を目の当たりにし、英雄の姿を垣間見たり、伝播の行方を追って大海を渡ったりするうちに、自分自身の視界が開けてくる。
 何よりも神話を中心に据えながら、三大宗教から哲学、心理学、文化人類学、錬金術、文学、芸術といった幅広い分野において深い感性を伴った知識を有する思想家としてのジョーゼフの見識は、現時点での方向性を求める読者に多くのキーワードを提示する。この本で語られる内容はあらゆる方向に開かれ、ここを出発点にして様々な「知的な旅」が始まるに違いない。

【主要目次】
▲▲第1章・巨大な詩としての神話
   神話は自分の中にある/神話のテーマ「お告げ」/冒険の意味/ビジョン・クエスト/聖杯探索のエピソード/ビジョンと儀式/シャーマンの役割/神話の英雄像/道化の役割/古代文明の可能性/伝播の証明/神話の実現と実在物の神話化/神話の役割
▲▲第2章・宗教---誤解された神話
   神の探究の歴史/内なる神/一人一人の人間にとっての宗教の意味/「荒れ地」人生を送る現代人/カルトと宗教/導師(グル)に従うこと/モーセとヘルメス/三位一体の意味/死と永遠性/錬金術/洪水のモチーフ/宗教の現状/東洋と西洋の融合は可能か?/チベット仏教
▲▲第3章・新しい知恵を必要とする時代
   歴史の中の転換期/自然の力/自分のために生きる人生設計のすすめ/心の支えをなくした現代人
▲▲第4章・キャンベル---神話を生きた人生
   冒険の始まりは?/ユングの影響/ジェイムズ・ジョイスの魅力/愛ある結婚の冒険

内容説明

神話学の巨人ジョーゼフ・キャンベルの、12年間にわたる全米ラジオ放送の対話を再編集。豊かな学識と深い洞察力に裏打ちされたキャンベルの思想のエッセンスを集大成した。

目次

第1章 巨大な詩としての神話
第2章 宗教―誤解された神話
第3章 新しい知恵を必要とする時代
第4章 キャンベル―神話を生きた人生

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nizimasu

8
ジョーゼフキャンベルといえば古今東西の神話の中からその共通性や人類に共通する基底概念を探した学者であるけどその彼がラジオ番組のトークをまとめたのがこの本だ。なので難しい話は出てこないがそのテーマ性は神話というのが人間が生きていく上でとてつもなく大事なエッセンスではないかと思わされる。人間の創造の産物が宗教になり生活規範にもつながる。社会の独自性と共通性を「神話」という言語で語るというのは何とも面白い。通過儀礼や英雄の成長譚というのもジョーイルーカスのスターゥオーズに用いたと思えばあの作品も現代の神話なのだ2015/07/05

roughfractus02

6
アメリカでラジオ放送した対談の再編集である本書だが、神話を神学から捉えるキリスト教や歴史として捉える近代以後の学問を批判し、精神的なものの喩えとする東洋の神話観が擁護される。著者は、ユングの自己(意識と無意識の関係)と、世界を言語でできた夢と捉えたジョイスの小説観を通して、言語化不能な心の不可思議を神話は比喩的に伝えるという。ここから著者は、ラジオ聴取者向けのテーマである結婚について、結婚は自我が他の自我に動かされる社会の問題とし、「愛ある結婚」は自我意識から無意識へ解放する冒険という精神の問題と捉える。2023/05/20

takao

3
ふむ2024/04/19

Isuke

3
az。キャンベル先生の語り口が軽快ですいすい読めるが何度でも読める。また読み返す。古書で購入したので書き込みや線引きがあったが、東大生協のレシートが挟まっていた。2020/03/20

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