出版社内容情報
地球環境と市民の視点から、日本の森林と木材利用のこれからを考える
林野庁等で長きにわたり日本の森林政策にかかわってきた著者が考える、
国際的な環境ガバナンスを踏まえたこれからの日本の森林や木材利用とは――。
自己研鑽と問題提起のために自ら立ち上げたWEBサイト
「持続可能な森林経営のための勉強部屋」による25年の活動を通し、
産官学民の垣根を越えてさまざまな議論を重ねてきた著者だからこその視点、
未来への提言をわかりやすくまとめた1冊。
【目次】
はじめに
第1章:「持続可能な森林経営のための勉強部屋」とは
1. 25年間続いたウェブサイト開設のきっかけ
国内の森林管理と海外の情報の関係
20世紀から21世紀になる時点
勉強部屋サイトの開設
2. 勉強部屋サイトの構成
①循環社会へ
②地球の森林
③国内森林政策
④トレーサビリティ
⑤国際条約
⑥貿易と環境
⑦エネルギーと指標
⑧共通分野
⑨このサイトについて
第2章:次世代の循環社会の中の持続可能な森林と木材
1. カーボンニュートラルな循環社会での木材利用
20世紀の後半は異常な時代
循環社会と持続可能な森林木材
2. 次世代の循環社会を考える
循環社会:新世紀にあたり循環社会再考
3. 循環社会に進む道筋
レスター・ブラウン『プランB』の中の森林
小宮山宏元東京大学総長のプラチナ社会におけるイノベーションの中の森林
4. この章の終わりに-重要な循環社会のコンセプトを大切に
第3章:森林ガバナンスと木材利用者のパワー―サプライチェーン管理の課題
1. 違法伐採問題への対処など森林管理への国際的な取り組みの概要
違法伐採問題対応の背景
政府による違法伐採対策の展開
違法伐採対策としての緑のサプライチェーン管理
クリーンウッド法とその課題
2. 森林認証制度の展開
森林認証とは? 歴史と現状─その役割と課題
FSC とSGEC/PEFC はどう違うのか
持続可能性と合法性
3. 建築関係者と森林関係者との連携
①美しい木組みの家─古民家になる家と森林との関係
②森を育むプラットフォーム─ WMF 総会から
③60年にわたるまちづくりの経験と「小さな林業」
4. この章の終わりに―森林ガバナンスに川下側からのインパクトを
第4章:森林管理・木材利用における環境性能の「見える化」
1. 木材とりわけ地域材の利用の環境性能―ウッドマイルズ指標の形成
ウッドマイルズ指標作成の取り組みのきっかけ
輸入木材の輸送過程消費エネルギー
ウッドマイルズフォーラムが積み重ねた環境性能指標群の整理
ウッドマイルズ関連指標の広がり
ウッドマイルズ関連指標などの今後の課題
2. カーボン・オフセットなどの資金調達システムと森林経営を巡る動向
カーボン・オフセットとは
我が国の森林吸収源によるカーボン・オフセットの動向
カーボン・オフセット= Jクレジット森林管理に関する今後の課題
「 川下にクレジットを付与する方法論について」勉強部屋サイトの提案(概要)
3. この章の終わりに―「見える化」の今後の課題
第5章:森林管理と企業・市民のコミュニケーション
1. 企業による森づくり―脱炭素経営に向けた取り組みと森
内容説明
地球環境と市民の視点から、日本の森林と木材を考える。国際的に高まる環境ガバナンスへの関心を踏まえ、日本はこれからどう木材を利用すべきか―。産官学民の垣根を越え、長年にわたりさまざまな議論を重ねてきた著者ならではの視点、未来への提言をまとめた。
目次
第1章 「持続可能な森林経営のための勉強部屋」とは
第2章 次世代の循環社会の中の持続可能な森林と木材
第3章 森林ガバナンスと木材利用者のパワー―サプライチェーン管理の課題
第4章 森林管理・木材利用における環境性能の「見える化」
第5章 森林管理と企業・市民のコミュニケーション
第6章 森林法、森林・林業基本法体系システムのグローバリティ・市民との関係
第7章 国際的な環境ガバナンスの進行と日本森林政策の関係
第8章 終章―勉強部屋サイトのヒストリーと今後の課題
著者等紹介
藤原敬[フジワラタカシ]
1947年東京都生まれ。1972年東京大学農学部卒業。1972年5月林野庁入庁、高知営林局、林野庁(海外林業協力・林産物貿易・国有林業務など)、国際協力事業団、広島県林務部部長、中部森林管理局名古屋分局長、独立行政法人森林総合研究所理事(企画総務担当)、社団法人全国木材組合連合会常務理事、全国木材協同組合連合会専務理事などを経て、現在は一般社団法人持続可能な森林フォーラムの代表を務めるほか、一般財団法人林業経済研究所のフェロー研究員、一般社団法人全国木材組合連合会相談役などを務める。2004年4月、東京大学において博士(農学)取得。日本森林学会、森林計画学会、林業経済学会、環境経済・政策学会に所属。独自に「持続可能な森林経営のための勉強部屋」を立ち上げ、地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える産官学民の情報交流広場を運営しており、1999年から毎月1回ニュースレターを配信中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。