植物 奇跡の化学工場―光合成、菌との共生から有毒物質まで

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植物 奇跡の化学工場―光合成、菌との共生から有毒物質まで

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806715542
  • NDC分類 471.3
  • Cコード C0045

出版社内容情報

植物が体内で生合成する天然物。その働きや人の暮らしにおける利用法までを徹底解説。植物を化学の視点で解き明かす。地球生命を支える光合成から、成長に関わるホルモンや、
外敵・競争相手に対抗するための他感作用物質、
繁殖のための色素や甘味物質の生産、
私たちが薬品として利用する有毒物質など、
植物が生み出す驚きの化学物質と、巧妙な生存戦略を徹底解説。
植物を化学の視点で解き明かす。

はじめに

第1章 生命を支える光合成
生物進化と植物の誕生
ミトコンドリアの共生は細胞の多細胞化を可能にした
光合成――化学的に困難な反応を可能に
光合成の仕組み
明反応と暗反応
地球の炭素循環は植物が駆動する
■コラム1 地球生命はすべて同じ祖先から
■コラム2 共生による進化の加速
■コラム3 植物の光情報受容体

第2章 二次代謝産物――化学戦略の主役
一次代謝と二次代謝
二次代謝産物
 テルペノイド――花の香りからフィトンチッドまで
 ポリケタイド――脂肪酸も仲間
 フェニルプロパノイド――C6-C3 の炭素骨格を持つ
 フラボノイド――生活習慣病予防への期待
 アルカロイド――合成医薬品の開発に貢献
 複合経路――多彩な天然物を演出
■コラム4 配糖体
■コラム5 ホルミル基を持つ化合物の不思議
■コラム6 有機化合物の三次元構造

第3章 発生、分化、成長と植物ホルモン
植物ホルモンの役割
 オーキシン――ダーウィンから始まった研究
 サイトカイニン――植物の老化を防止する
 エチレン――野菜・果実の鮮度を操る
 ジベレリン――日本人科学者が解明に貢献
 アブシジン酸――種子や芽の休眠、乾燥障害防御に働く
 ブラシノステロイド――細胞伸長や維管束形成作用
 ジャスモン酸――ジャスミンの香気物質が生体防御に働く
 ストリゴラクトン――菌根菌との共生を誘導
■コラム7 植物細胞と動物細胞

第4章 戦いと共生
対植物・対昆虫の戦い
 他感作用――アレロパシー
 ファイトアレキシン――病害防除に働く抗菌物質
昆虫・微生物の利用と共生
 植物が害虫の天敵を呼ぶ
 マメ科植物と根粒バクテリア
 植物と菌根菌との共生
 植物間のコミュニケーション
■コラム8 昆虫の食草

第5章 繁殖戦略――鮮やかな色と甘い蜜
花と果実の色
 アントシアニン――鮮やかな花の色を演出
 カロテノイド――トマトの赤色、イチョウの黄色
 ベタレイン――ナデシコ目の一部の科に特異的な色素
 フラボノイド――抗酸化活性を持つ黄色い色素
 その他の色素
紫外線ストレスと植物色素
虫を呼ぶ花や果実の香気成分
植物起源の甘味成分
■コラム9 ヒトが光を感じる仕組み
■コラム10 有害紫外線

第6章 食害を防ぐ有毒物質
 トリカブト――毒と薬は表裏一体
 ドクウツギ――甘い果実は誤食に注意
 ドクゼリ――セリとの違いは根の形
 ヒガンバナ――赤い花は秋の風物詩
 スイセン――誤食例の多い園芸植物
 ステロイドアルカロイド――ジャガイモの芽や青くなった皮には注意
 クラーレ――南米原住民が狩猟に用いた
 ハシリドコロ――サリン事件で治療に貢献
 シアン配糖体――バラ科植物の種子にご用心
 強心配糖体――世界で知られるキョウチクトウの毒性
 トウゴマ――最強の有毒タンパク質
 ツツジの仲間――美しい花を咲かせる有毒植物
 大麻――幻覚作用が社会問題に
 イラクサ――触れると痛みやかゆみを引き起こす
 サトイモ科――身近な食品のエグミの原因、シュウ酸カルシウム

第7章 発がん物質
 発がんプロモーター
 ワラビ――灰汁抜きでなくなる発がん性
 ソテツ――沖縄などでは救荒植物に
 ピロリチジンアルカロイド――肝硬変やがんの原因
■コラム11 アサギマダラ――2000kmを渡り、有毒物質を摂取するチョウ

第8章 植物が動くメカニズム
 オジギソウの急激な動き
 就眠運動――ゆっくりとした動き

あとがき
用語解説
参考文献
索引

黒? 正典[クロヤナギ マサノリ]
著・文・その他

内容説明

地球生命を支える光合成から、成長に関わる植物ホルモンや外敵・競争相手に対抗するための他感作用物質、繁殖のための色素の生産、私たちが薬品として利用する有毒物質など、植物の巧妙な生存戦略を徹底解説。植物を化学の視点で解き明かす。

目次

第1章 生命を支える光合成
第2章 二次代謝産物―化学戦略の主役
第3章 発生、分化、成長と植物ホルモン
第4章 戦いと共生
第5章 繁殖戦略―鮮やかな色と甘い蜜
第6章 食害を防ぐ有毒物質
第7章 発がん物質
第8章 植物が動くメカニズム

著者等紹介

黒〓正典[クロヤナギマサノリ]
専門は生薬学、天然物有機化学、有機立体化学。1968年、静岡県立静岡薬科大学(現・静岡県立大学薬学部)修士課程修了。1968年、国立衛生試験所(現・国立医薬品食品衛生研究所)研究員。1978年、薬学博士学位取得(東京大学)。1978年、静岡県立大学薬学部教員。1982年、米国コロンビア大学留学。1998年、広島県立大学生命資源学部(現・県立広島大学生命環境学部)教授。2009年同大学名誉教授。2012年より、静岡県立大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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yyrn

25
動物のように動き回れない植物は、光合成により自ら栄養を作り出している(一次代謝)。自給自足ができて羨ましいが、驚くのは、虫に食べられないよう毒や苦み、辛み成分を作り出したり、また受粉のために昆虫を呼び寄せる甘い香りを出したり、花びらを鮮やかな色にしているのは、いずれも二次代謝で合成された化学物質による働きで、必要な時に自らそれらを作り出しているということ。動けないからそういう能力が備わったのか、そういう能力が備わったから動かなくてもいいやと思ったのか。そんな植物の化学合成の働きを教えてくれる本でした。2021/06/02

2
化学物質が説明なしにバンバン出てくるので、高校の有機 化学は前提知識として必要な気がする。その分、厳密な話もしてくれているので面白い。内容は広く浅くという感じで一つ一つの作用機序について詳しくはないので、気になった部分は自分でさらに調べてみるという読み方が良さそう。 サブタイトルにあるとおり、化学工場としてみた植物の特徴についてよくまとまっていると感じた。2022/03/08

ymd

1
化学式の多さに一瞬ひくんだけど、読んでみると観葉植物のお世話(摘心、葉水、光のコントロール、堆肥づくり等々)に関するノウハウ以上のロジックがわかっておもしろいです。2020/08/15

kuroi

1
思ったより小難しい内容でした。特に前半部分は化学物質やホルモンの話が多いので読みづらい。しかし後半はとても興味深い内容のオンパレード。有毒物質などを用いて食害を防ぐ植物、それを克服する虫、鮮やかな彩りの仕組みなどなど。2018/06/19

朝ですよね

0
化学式は一瞥して素通り。アントシアニン、カロテノイド、フラボノイドといった色素は抗酸化作用を持つものもあり、動物が彩りが良いものを食べると体にも良いという状態になっているのは興味深い。種無しブドウはジベレリンの単為結実促進作用を活用していて、物質の解明は日本人科学者の貢献があった、など身近なものにも知らない背景があるものだと感じた。キャベツが食われている青虫の種類を識別し、それぞれ違う天敵のハチを呼ぶようにシグナル物質を放出する、というのも植物と虫が進化で競った過程を感じさせる。2022/04/17

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