内容説明
地産地消を超える環境先進県として脚光を浴びる長野県。「燃費のいい家」に代表される、地元で新しい仕事を次々に生み出し、地域経済がうるおうエネルギー政策は、どのように生まれ、実行されているのか。5年にわたって長野県の政策担当者として実務を担った著者が、政策の内実をていねいに解説し、成功への鍵を示す。あわせて、県内の行政、企業、市民ネットワークの担い手を紹介して、信州エネルギーシフトの全貌を示す。
目次
第1部 信州エネルギーシフトの内実とは―長野県の地域エネルギー政策を解剖する(環境エネルギー戦略;信州エネルギーシフトを推進する8政策;政策を動かす力)
第2部 信州エネルギーシフトの担い手たち(地域エネルギー事業の担い手;中小企業の担い手;建物エネルギー性能の担い手;自治体の担い手)
著者等紹介
田中信一郎[タナカシンイチロウ]
1973年愛知県生まれ。一般社団法人地域政策デザインオフィス代表理事、千葉商科大学特別客員准教授、酪農学園大学特任准教授、博士(政治学)。国会議員政策秘書、大学講師、横浜市、内閣官房などを経て、2011年10月より5年間、長野県庁の課長級職員として、地域エネルギー政策、地球温暖化対策、地方創生(人口減少対策)を担当。その後、自然エネルギー財団特任研究員を経て、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
36
化石燃料等の垂直統合の正反対で、再エネには水平分散、送電線やネットでつながる。社会構造に大きな影響を与える(11頁)。公共施設の新築や建替えは、低い優先順位とならざるを得ません。これから建てる公共施設は、2100年頃まで使用されても不思議でありません(104頁)。これについて、新庁舎建設の役場本庁担当者に聞いたが、歯切れはよくなかった。木曽谷には伝統的な木工製品や工芸品があります。課題は、デザインと生産性。職人の人材育成、デザイン性を高め、相互協力できる技能が身につけば、2018/02/15
イボンヌ
11
世田谷区の全保育園の電力が長野県の水力発電所からの送電で賄われている記述があり驚きました。 故郷長野県で自治体や企業がこれ程まてまに、再生可能エネルギーに取り組んでる事を知りませんてました。太陽光発電システムだけでなく、高気密住宅の開発や林業活性化など。 上田市が取り組む太陽光発電システムが素晴らしいと思います。2019/12/29
gurrengurren
2
持続可能な再エネ普及に向けては、経済性と環境性の両立が肝要。そのための官民のステークホルダー達の熱く、地道な取り組みの紹介。取り組みの推進や半義務化のための、条例などの整備。エネルギー消費地ではなく生産地の立場から、林業など地場特有のリソースを生かした、地産外消のビジネスモデル。当たり前だか、推進力として、何よりも人の思い、意志と、教育が必要。2020/07/25
Kentaro
2
ダイジェスト版からの感想 長野県は環境先進国のドイツを見倣って、温室効果ガスの削減に向け、石油から再生エネルギー型へ転換を図っている。 長野ではまず第一にLED照明などへの省資源で活用できる設備への切り替えで資源の無駄遣いをなくし、次に自エリア内での再生エネルギーによる発電を進め、3つ目には余剰電力を他県に売電するというものです。 長野県はすでに日本の再生エネルギーの三分の一を占め、二位の福島をトリプルスコアで離しているようです。 日本は石油のモデルを打ち崩して再生エネルギーの社会に進むチャンスかもです。2018/03/03
kkk
2
長野県のエネルギーシフトへの取組がその仕込みの段階から記載されていてよい。再エネだけでなく、省エネ(建物の断熱効率)や熱利用についても取組についても頁が割かれている。信州がやっているのであれば、他でできないことはないだろうとポジティブな気持ちになる。 読んだうえで、欧州と日本や、長野と他県でどうして取組の進度が違うのかについて考えてみたのだが、リーダーシップ、問題意識、コミットメント(熱量、粘り強さ)あたりが鍵かなと。2018/02/15
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