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内容説明
国立科学博物館筑波実験植物園の植物管理を務める、植木職人であり樹木医、森林インストラクターの著者が、地上20メートルから見た景色、梢で感じる三次元の風―。造園会社と植物園で20年間、樹木と対話する中で見つけた、植物の不思議でおもしろい世界。
目次
樹に登る
光を取り合う椅子取りゲーム
草の繁茂と戦う
水が上がる音を聴く
樹木は動かない
植物の回復を根と芽に願う
緑の匂い
緑陰
クロマツと潮風と木バサミの音
裏方仕事―掃除は重労働〔ほか〕
著者等紹介
二階堂太郎[ニカイドウタロウ]
1970年、新潟市生まれ。海と川と山で遊ぶ。山形大学農学部林学科修士課程修了。新潟県津川林業事務所に任期付職員で約1年、新潟市の「らう造景(旧:後藤造園)」に6年勤務。その後2年間は専業主夫となり子育てに専念。2005年より国立科学博物館筑波実験植物園に勤務し、現在、植物管理を担う育成管理室の技能補佐員。樹木医、森林インストラクター。1級造園施工管理技士、1級土木施工管理技士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みさどん
15
筆者は文章が上手い。体験からの本物の話がたくさんあって、樹木に興味を持つ人にはためになる話ばかりだった。棘、虫、高さ、重さ、機械など、樹木を維持するって大変な仕事だけれど、いいものだ。でも、近年の辛い夏の暑さと、自然に理解ない遠くなる風潮は、非情だと思える。梅雨が終わり、蚊と闘いながら、庭の夏草除去でさえ辛い季節が始まるよお。行ってみたい所がまたできた。2023/07/17
qoop
6
筑波実験植物園の育成管理人である著者が、高い樹に登り、棘を踏み抜き、落ち葉の匂いを嗅ぎ、かぶれ、血を流して体感した植物との付き合い方。森林全体を見渡す巨視的な視点と落ち葉一枚蟻一匹に注目する微視的な視点を併せ持ち、多面的に植物と向き合う姿勢を体を張って体得した著者が、そこから得た知見を平易に説いている。あくまでも等身大の自分を尺度にみずみずしく語っているので、朴訥な雰囲気に引き込まれてうなずかされる。2018/08/07
むさみか
4
学者さんの視点よりももっと 実際に根差した観点の話なので すごく面白く読みました 元植木職人さんですので 剪定のコツ とか お仕事を教えてくれる職人さんの 説明が ふんわりしてて面白い 大阪人の がーっといって がーっと みたいな感覚で 笑える2023/06/30
okatake
3
著者は、大学院まで学び、その後造園会社を経て、現在の職場である国立科学博物館筑波実験植物園で活躍されています。造園会社での経験を活かしながら、現在の実験植物園での樹木管理から見える植物の世界を教えてくれています。 植物園の裏側や管理を通して観察する植物の世界をエッセイで綴っています。樹木(植物)という自然と管理という人間都合の人工とのあいだで見えるものとは。 興味深く読むことができました。2018/05/17
toriko67
2
つくば実験植物園好きにはたまらない本です。温室の天辺までのびた植物や、植物園の大きな樹が好きな人にもぜひ勧めたいです。植物園に行きたくなります。2018/07/16