出版社内容情報
ドイツ人が森を愛するようになったのは、いつからなのか。森をめぐる人びとの1000年におよぶ営みと歴史を追う。ドイツ人が森を愛するようになったのは、いつからなのか。
暗黒の森から恵みの森へ、領主と農民の森をめぐる争い、
世界をリードする森林科学の伝統、ゲーテやシューベルトなど
多くの文学・音楽を生んだ森での思索、
酸性雨による「森の死」から環境運動まで、
森をめぐる人びとの1000年におよぶ営みと歴史を追う。
序章 森と環境意識
《森》から広がった環境意識
1.静かに進行する「森の死」
2.エコロジー意識の広まり
3.終息までの長い道のり
4.ドイツ人と《森》
第?部 森への想い
1.ナチスが目指した《永遠なる森》
(1)帝国森林荒廃防止法
(2)プロパガンダ映画『永遠なる森 永遠なる民族』
(3)森イデオロギー
2.《終わりのない森》への憧れ
(1)「恒久なる森」
(2)森は共同体
(3)近代林学第二世代
(4)森へ行こう!
3.ロマン派
(1)アイヒェンドルフ:森のそよぎ
(2)ハイネ:森の孤独
(3)フリードリヒ:永遠を体現する森
(4)森の音楽
4.童話の森
(1)人生を変えるチャンスは森にある
(2)シンボルとしての森
5.中世の宮廷・英雄物語における森
(1)背徳・災い・死
(2)宮廷外の世界:森
(3)ロマン派が発明した《森》
6.ロマン派の《森》発見の背景
(1)ロマンチックではなかったロマン派の時代
(2)ドイツの混乱
(3)ロマン派と「自然」
第?部 森は私たちのもの
1.森の生活
(1)森の実り
(2)森の木の利用
(3)森の仕事
2.童話と違う民話の森
(1)共通点と相違点
(2)森番
(3)密猟者
3.神の賜物から領主の所有物へ
(1)封建制度と「Forst」の形成
(2)「Forst」の番人
(3)王さまの狩り
(4)王さまの狩りが及ぼした被害
4.《実り》から《資源》へ
(1)森林利用制限の拡大
(2)1500年以降の変化
(3)森林条例の背景
(4)近代林学の成立
5.《違反》しているのは誰か
(1)君主の条例と農民の掟
(2)君主は神に背いている
6.森をめぐるトラブル
(1)修道院とのトラブル
(2)領邦絶対主義時代の森:プファルツ=ツヴァイブリュケン公爵領の場合
(3)フランス革命前夜
(4)「農民解放」と森
7.グリム童話時代の森
(1)さまざまな《森》
(2)グリム:古ゲルマンの森
(3)民族(Volk)と森
(4)民衆(Volk)と森
終章 現代環境運動と《森への愛》
現代の「森番」たち
あとがき
森 涼子[モリ リョウコ]
お茶の水女子大学博士課程、ゲッティンゲン大学博士課程修了、Dr.Phil.
専門はドイツ文化史・キリスト教史。
日本大学非常勤講師。
著書に、『敬虔者たちと〈自意識〉の覚醒』現代書館、2006 年、
「ドイツ自然・環境保護運動の歴史」『史學雑誌』120/4(2011)、
「森林観からみる〈森林保護〉」『お茶の水史学』55(2011/2012)などがある。
内容説明
ドイツ人が森を愛するようになったのは、いつからなのか。暗黒の森から恵みの森へ、領主と農民の森をめぐる争い、世界をリードする森林科学の伝統、ゲーテやシューベルトなど多くの文学・音楽を生んだ森での思索、酸性雨による「森の死」から環境運動まで、森をめぐる人びとの1000年におよぶ営みと歴史を追う。
目次
森と環境意識
第1部 森への想い(ナチスが目指した“永遠なる森”;“終わりのない森”への憧れ;ロマン派;童話の森;中世の宮廷・英雄物語における森;ロマン派の“森”発見の背景)
第2部 森は私たちのもの(森の生活;童話と違う民話の森;神の賜物から領主の所有物へ;“実り”から“資源”へ;“違反”しているのは誰か;森をめぐるトラブル;グリム童話時代の森)
現代環境運動と“森への愛”
著者等紹介
森涼子[モリリョウコ]
お茶の水女子大学博士課程・ゲッティンゲン大学博士課程修了、Dr.Phil.専門はドイツ文化史・キリスト教史。日本大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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