チベット高原の不思議な自然

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チベット高原の不思議な自然

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784806715184
  • NDC分類 462.229
  • Cコード C0040

出版社内容情報

10年間の調査で初めて明らかになった、7000メートルを超えるヒマラヤ山脈の北に位置するチベット高原の湖・川・植物の謎と魅力澄んだ湖水、強い紫外線、
標高5000メートルの高山湖に生物が多いのはなぜか、
時間とともに水位と水質が著しく変化する氷河河川、
息を吹きかけるとわずかな温度変化を感じて花を開く植物、
氷河地形ごとの多様な植生―――。
10年間5回の調査で初めて明らかになった、
7000メートルを超えるヒマラヤ山脈の北に位置する
チベット高原の湖・川・植物の謎と魅力を紹介。

はじめに

第1章 高山湖を探る──チベットの湖 村上哲生
チベットの湖 
 湖の色と生物
 チベットの湖の謎
プマユム湖(普莫雍錯)への旅 
 高山病
 街での準備
 プマユム湖への道
 幕営
プマユム湖の水収支 
 高山湖の水資源開発
 涸れた川
 河口湿地
 プマユム湖の水収支
プマユム湖の大きさと形 
 水深測定
 面積、容積、平均水深
 平均滞留年数
湖の水温や水質の調査 
 水温の分布
 光の透過
 塩分
 ?
生物の活動 
 酸素の鉛直分布から読み取る生物の活動
 チベットでの酸素の飽和度の計算の面倒さ
 プマユム湖の不思議
 酸素の生産と消費速度の測定
 意外に大きかったプマユム湖の酸素生産
 深水層での高い生産の裏づけ
 2006年の追加調査
高山湖で高い生産が維持されるわけ
 二つの栄養供給源
 川の水は、湖のどの深さに流れこむか
 強い光の功罪
 シャジクモ帯・貝殻帯
 生物でにぎやかな高山湖底
ヤムドク湖(羊卓雍錯)
 湖の形
 ナンカルツェの町
 部分循環湖?
 ヤムドク湖岸を走る
 ヤムドク湖の伝説
ナム湖(納木錯)
 ナム湖の観測施設
 ナム湖一周の旅
 塩湖
 青蔵鉄道
チベットの湖のこれから
 湖の縮小
 汚染物質の滞留
 保存か賢い利用か?
 湖の個性の研究の面白さと重要性

第二章 氷河が涵養する川──チベットの川 村上哲生
川と湖
 氷河河川
 チベットの川の価値
チベットの川
 乾いた大気と涸れ川
 乾いたチベットと湿ったチベット
 白濁した川と透明な川
氷河を水源にもつ川の一日
 氷河の下へ
 氷河湖
 融ける氷河と水位の上昇
 水温と濁りの変化
 氷河の縮小
 有機物が供給される経路
 河川水中の生産が小さな氷河河川
氷河河川の生物
 氷河に棲む虫
 『北越雪譜』の雪蛆
 虫は何を食べているか?
 河原の水溜りと河跡湖の重要性
ヤルンツァンポ川の大屈曲部へ──ラサからポミへの旅
 利水と治水
 河畔砂丘
 湿ったチベット
 大屈曲地帯
チベットの川のこれから 

第三章 チベットの植物 南 基泰
高山帯で生き抜くための特異な形態──チベット南部
 シノ・ヒマラヤ──ユーラシア東部の植物種分化の中心地
 温室植物
 小さきものたち
 息を吹きかけると開く花  
 虫を誘うパラボラ型の花
 花茎を伸ばすことをやめた花々
 這いつくばる植物
 妖精の輪
 セーターを着こんだ植物
 クッション植物
 ゲーテの「変態論」で読み解く
移動する植物──ヒマラヤの青いケシ 
 分子系統地理学とは
 ヒマラヤの青いケシを解析する
四つの高山植生──チベット南部 
 植生調査──面積と時期
 土壌物理性の調査
 分解しない植物遺体──高山湿原
 お花畑にならない草原──高山草原
 枯れたクッション植物の上に──高山ステップ
 人も家畜もいない風景──高山荒原
 植生を規定する土壌
温暖湿潤な森──チベット東部
 ヒルのいる森
 河跡湖での棲みわけ
 河跡湖の水環境
 東西の植生の境目
 インドモンスーンの通り道
周氷河地形──もう一つの植生成立の要因
 岩屑だらけの斜面
 砂や礫が描いた模様
 湿地の坊主たち──アースハンモック
 亀甲模様の大地──植被多角形土
 繰り返される植生遷移
氷河地形ごとの多様な植生
 氷河が削った岩盤
 氷河の側面にできるサイドモレーン
 氷河湖をせき止めるエンドモレーン
 アウトウォッシュ・プレーン──氷河河川の扇状地
 氷河に削られた谷
 氷河の後退と植生遷移
人々の営みと植物
 世界でいちばん高い村
 自然植生はどこに?
 逆転した森林帯と草原
 未腐植質が建築資材
 畑の雑草
 外来種──ヨウシュチョウセンアサガオ
チベットの薬用植物
 生薬とは
 生薬のお土産
 薬草エキス入りの清涼飲料水
 節間伸長をやめたリンドウ
 正倉院の宝物──錦紋大黄
 ダイオウの雑種問題
 環境指標にならないマオウ
河口慧海とヒマラヤ植物
 河口慧海のたどった道
 慧海の植物標本帳
 北西の曠原地の今
チベットの植物の今

おわりに 
調査旅行行程
参考資料
生物名索引
地名索引
事項索引


村上 哲生[ムラカミ テツオ]
1950年熊本県生まれ。愛知県犬山市在住。
熊本大学理学部生物学科卒業、博士(理学)。
名古屋市水道局、名古屋市環境科学研究所、名古屋女子大学を経て、現在中部大学応用生物学部環境生物科学科教授。
専門は陸水学(川や湖に関する科学)。
高山の陸水学とともに、ダムや河口堰などの構築物が河川環境に及ぼす影響にも興味をもっている。また学童を対象とした水辺での環境教育の仕事も近年多くなった。
著書に『ダム湖の中で起こること──ダム問題の議論のために』(地人書館、2013)、『川と湖を見る・知る・探る──陸水学入門』(共著;地人書館、2011)、『身近な水の環境科学──源流から干潟まで』(共著;朝倉書店、2010)、『ダム湖・ダム河川の生態系と管理──日本における特性・動態・評価』(共著;名古屋大学出版会、2010)、『河口堰』(共著;講談社、2000)、訳書『ダム湖の陸水学』(共訳;生物研究社、2004)など。

南 基泰[ミナミ モトヤス]
1964年福井県生まれ。愛知県春日井市在住。
近畿大学大学院博士後期課程農学専攻満期退学、博士(農学)。
厚生労働省国立医薬品食品衛生研究所筑波薬用植物栽培試験場流動研究員、農林水産省野菜茶業試験場重点支援研究員を経て、現在中部大学応用生物学部環境生物科学科教授。
専門は分子生態学。
薬用植物を中心とした高山帯や寒冷地に生育する植物の分子系統地理学を研究している。
最近では、植物だけでなく、動物、昆虫についても研究対象としている。
著書に『根の事典』(共著;朝倉書店、1998)、『恵那からの花綴り』(風媒社、2010)、『環境生物学序論』(編著;風媒社、2013)、『樹の力』(The power of trees 、グレッチェン. C. デイリー著、編訳;風媒社2014)、『ESD──自然に学び大地と生きる』(編著;風媒社、2014)など。

内容説明

澄んだ湖水、強い紫外線、標高5000メートルの高山湖に生物が多いのはなぜか、時間とともに水位と水質が著しく変化する氷河河川、息を吹きかけるとわずかな温度変化を感じて花を開く植物、氷河地形ごとの多様な植生―10年間5回の調査で初めて明らかになった、7000メートルを超えるヒマラヤ山脈の北に位置するチベット高原の湖・川・植物の謎と魅力を紹介。

目次

第1章 高山湖を探る―チベットの湖(チベットの湖;プマユム湖(普莫雍錯)への旅
プマユム湖の水収支 ほか)
第2章 氷河が涵養する川―チベットの川(川と湖;チベットの川;氷河を水源にもつ川の一日 ほか)
第3章 チベットの植物(高山帯で生き抜くための特異な形態―チベット南部;移動する植物―ヒマラヤの青いケシ;四つの高山植生―チベット南部 ほか)

著者等紹介

村上哲生[ムラカミテツオ]
1950年熊本県生まれ。熊本大学理学部生物学科卒業、博士(理学)。名古屋市水道局、名古屋市環境科学研究所、名古屋女子大学を経て、中部大学応用生物学部環境生物科学科教授。専門は陸水学(川や湖に関する科学)。高山の陸水学とともに、ダムや河口堰などの構築物が河川環境に及ぼす影響にも興味をもっている。また学童を対象とした水辺での環境教育の仕事も近年多くなった

南基泰[ミナミモトヤス]
1964年福井県生まれ。近畿大学大学院博士後期課程農学専攻満期退学、博士(農学)。厚生労働省国立医薬品食品衛生研究所筑波薬用植物栽培試験場流動研究員、農林水産省野菜茶業試験場重点支援研究員を経て、中部大学応用生物学部環境生物科学科教授。専門は分子生態学。薬用植物を中心とした高山帯や寒冷地に生育する植物の分子系統地理学を研究している。最近では、植物だけでなく、動物、昆虫についても研究対象としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。