内容説明
かつては季節、季節に少量を食べていたキノコは、いつの間にか、工場で大量栽培され、一年を通して大量に消費される工業的食品になった。日本のキノコ研究の第一人者が、健康食品とされるキノコと農薬、キノコと放射能、キノコと重金属、がんに効くキノコ、中国のキノコ栽培の実態を余すところなく描く、衝撃のキノコ読本。
目次
キノコはどのように食べられてきたのか
味のよいキノコとはなにか
キノコは栄養になるのか
思いがけないところに大発生するキノコ
キノコが知らせる放射能汚染
キノコが集める重金属
病気に弱い栽培キノコ
キノコ栽培と農薬
がんに効くキノコ
変化の激しいキノコ栽培―キノコは「工場生産されるバイオ製品」になった
熱帯アジアのキノコ栽培
中国のシイタケ栽培
「マッタケ」クレージー
著者等紹介
小川真[オガワマコト]
関西総合環境センター常務取締役、生物環境研究所所長、農学博士。1937年京都府生まれ。1937年京都大学農学部農林生物学科卒。1962年京都大学大学院農学研究科博士課程修了。1968年農林技官 林業試験場研究員。1973年林業試験場土壌微生物研究室長、企画科長。1988年森林総合研究所きのこ科長。1991年退職後、現職へ。1980年日本林学賞。1981年ユフロ学術賞(国際林業研究機関連合)。1998年日経地球環境技術賞。1999年日本菌学会教育文化賞を受賞。マツタケの生態や栽培法の研究からはじめて、その研究領域を樹木の外生菌根や作物の菌根、森林の土壌微生物に広げ、樹木の枯死と菌根の関係やキノコの栽培にも手をそめるなど、幅広い研究領域をこなしてきた。現在は植林によって二酸化炭素を固定し、炭を土壌改良など、農林業に利用することによって炭素の封じ込めを図る研究をすすめ、国内外で活動中
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