ボランティアの世界―私が変わる・社会が変わる

ボランティアの世界―私が変わる・社会が変わる

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806711827
  • NDC分類 369
  • Cコード C0037

出版社内容情報

ボランティアの本質は?
活動のあり方は?
横浜YMCAで長年、総主事を務めた著者が、日本社会を人間性豊かなものに変革していくために、ボランティアの意味とヨロコビをともに考え、行動する書。

【書評再録】
●コープカルチャー情報紙「SUN」評(1999年12月1日号)=ボランティアって何?という疑問に、一つの答えを示してくれる本です。すでにボランティアをしている方には確信を与えてくれ、躊躇している方には、「やってごらん」と、そっと背中を押してくれるような本です。

【内容紹介】本書「はじめに」より
 21世紀への扉が開こうとしているいま、新しい時代に向けて日本社会は「人間としての豊かさ」を求め、成熟した市民社会をつくりだしていくことが求められている。そのためにも私たちは、市民社会の担い手としてのボランティアとその活動のあり方、さらにNPOと呼ばれる非営利市民活動のあり方について、いま一度考えを深めてみる必要があるのではないだろうか。
 発達し続ける高度な科学技術による恩恵、それによって生み出される生活の利便性が高まれば高まるほど、私たちの生活意識は安易な方向へと流れる。自分の力で生活を切り開こうとする意識より、他の力に依存する意識が強くなっていく。少子社会といわれる日本でも、この傾向に拍車がかかり、子どもの育つ過程で親も社会も過剰に保護する傾向が強くなり、子どもたちが依存性の強い育ち方をしてしまう恐れがある。
 子どもたちは21世紀を主役として担う。この子どもの課題についても、ボランティアの角度から真剣に考えておく必要がある。なぜなら、ボランティアとは自発的、主体的な生き方であり、新しい時代の子どもたちの課題は自立性に満ちた生き方と他者との連帯性を大切にする生き方こそがテーマとなるにちがいない、と思うからである。
 ある意味で、20世紀は効率を重んじ、強大さを重んじる産業主義、科学合理主義優先の時代であったと総括することもできよう。しかし私たちは21世紀を、際限なく科学の進歩に身をゆだね、経済のあり方もすべて市場原理・合理性を優先させるあり方から、合理性では割り切れない人間性を探究する時代、強さよりもむしろ弱さがかえりみられ、人と人が支え合い、自然と人とが共生していく時代にする必要があるのではないだろうか。つまり、人間としての弱さを互いに認め合い、そのうえで共に支え合う関係をつくりだしていくという社会的テーマが「ボランティア」なのである。
 不透明な時代に向かって生きる私たちが、「どのような社会をつくりだしたいのか」を問い続けながら着実な歩みを進めるボランティアの世界に身を置き、「私が変わり、社会が変わる」喜びを共に味わいたいと心から願っている。

【主要目次】
▲▲第1章・「ボランティア」の源流
   1.ボランティアの誕生
      ボランティアの源流を遡る
      19世紀ヨーロッパの「自主と自由」を求める運動
      セツルメント運動の胎動
      自助と相互扶助運動の生活協同組合の始まり
      人類愛を求めるYMCAの出発
   2.日本のボランティアの源流
      セツルメント運動に燃えた青年たち
      生協運動とボランタリズム
      同志が結集したYMCA運動
      キリスト教とボランティア精神
      ボランティアの思想
▲▲第2章・今日の日本社会とボランティア
   1.ボランティアの本質を問う
      自己実現を求める潮流
      さらに高まる社会への意識
      開かれた自分から社会が変わる
   2.伝統的な日本の価値意識とボランティア
      「いえ」を大切にする身内意識
      「いえ」の枠組みを打ち破る
      「身内」を超えるボランティア
      「開かれた関係」をつくる
   3.ライフスタイルの変化とボランティアへの関心
      人生80年をいかに生きるか
      もう一つの生き方を
      個人の時間から社会的な時間へ
      高まる社会貢献への意識
      人間性回復を求めるきざし
      民主主義の実践として
   4.21世紀を生きる子どもたちへ
      ボランティアとして育つための訓練
      大切な学校外での体験
      サービス・ラーニングの必要性
      サービスの与え手になるために
      人生をどう生きるか
      異質なものや個性を認め合う教育を
   5.ボランティア活動から得られるもの
      学校教育での評価制度の問題
      ボランティアの互酬性
      障害児キャンプでのA子さんの体験
      障害児キャンプでのB子さんの体験
      タイでのボランティア活動の体験
▲▲第3章・多様化するボランティア活動
   1.阪神大震災と「ボランティア元年」
      阪神大震災に学ぶ多様なボランティア
      行政の限界とボランティアの可能性
      求められる専門ボランティアの活躍
      三日、三週間、三か月のボランティア活動
   2.企業とボランティア
      休暇制度と社員の主体性
      期待される企業の社会的貢献
   3.行政とボランティア
      公平性と個別性のちがい
      町内会、自治会はボランティア組織なのか
   4.相互の連携をはかるボランティアネットワーク
      垣根を越えて連携する
      ネットワーキングの構造と過程
      ネットワーキングの特質
▲▲第4章・これからのボランティア活動と市民社会の形成
   1.NPOの役割と課題
      NPOとNGOのちがいは
      公益的活動を行うNPO
      「公」の限界と可能性
      NPOのマネージメント
   2.NPO活動の活性化を目指して
      継続して目的を問いかける
      問題意識をもつことから
      求められる税の優遇措置の制度化
      市民活動体として日本社会に根づくために
   3.一人ひとりが創る21世紀の市民社会
      国際化から地球化へ
      自分を等身大でとらえ、新しい自分を見出す
      経済優先主義から人間優先主義へ
      水平な仲間関係から共感の関係を
      生き方をみつめ直すことから
▲▲付録・ボランティア活動のための10か条
      「善意の押し売りはやめよう」
      「感受性と目配り」
      「多様性を尊重する」
      「楽しむ心を忘れずに」
      「明るさを大切に」
      「自己成長をはかる」
      「自分の気持ちが最優先」
      「求められる自己責任」
      「すべてを背負いこまない」
      「自己流を尊重しながら」

内容説明

ボランティアの本質は?活動のあり方は?日本社会を人間性豊かなものに変革していくために、ボランティアの意味とヨロコビを共に考え、行動する書。

目次

第1章 「ボランティア」の源流(ボランティアの誕生;日本のボランティアの源流)
第2章 今日の日本社会とボランティア(ボランティアの本質を問う;伝統的な日本の価値意識とボランティア ほか)
第3章 多様化するボランティア活動(阪神大震災と「ボランティア元年」;企業とボランティア ほか)
第4章 これからのボランティア活動と市民社会の形成(NPOの役割と課題;NPO活動の活性化を目指して ほか)

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