内容説明
“日本民族の自由と自決の精神”を守るために、生涯を懸けて闘ってきた元教師が、無期懲役の獄中から一人娘、妻、母にあてて書き綴った切々たる愛の書簡にこめられた真実の「人間物語」。三十余年にわたって中学・高校教育にたずさわってきた著者が自らの歴史とオーバーラップさせて構築する新しい“教育文学”の試み。
目次
春の編(最初の書簡;家族論;高校生になって、康子へ―学校観と読書論;人の情〈人情論〉;教師論 ほか)
夏の編(下山家の伝統的精神;子供と家族と自然;花に心を寄せて;“死”と対面して ほか)
秋の編(最愛の妻へ;恐し、会いたし母への思い;康子よ、16回目の誕生日おめでとう―人生を語る;アメリカのキリスト教徒達―信仰のことなど ほか)
冬の編(“弱き者”の思想;病気を案じて;人の考え;民族意識の思想;アメリカ文化に学ぶ;前世の罪・後世の罰 ほか)
再来・春の編(人間の自由を求めて;無期懲役刑の確定―洗心積善の日々;想い残すことなど ほか)