中経の文庫<br> 乙女の古典

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中経の文庫
乙女の古典

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784806140344
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0195

内容説明

恋の深淵、人生の別れなどを繊細に美しく描く古典は、日本女性の宝物です。夫の裏切りを憎みながらも、「椿の花のようにいとしい夫よ」とうたわずにはいられなかった『古事記』の磐姫。風光る5月のようにさわやかな清少納言。夢を抱きながら、平凡な主婦の座に生きた更級の女などの物語を10篇紹介。

目次

第1章 春―花ざかりの季(『古事記』の磐姫皇后―真紅の椿のいのちの恋;『伊勢物語』―青春への郷愁をこめた恋のメモワール;『枕草子』の清少納言―光る感性につながれた主従の愛)
第2章 夏―燃える夏のきらめき(『和泉式部日記』―噂の女が抱きしめる孤独な魂;『源氏物語』の空蝉―拒むことによって恋を昇華させた女)
第3章 秋―白い秋風に寄せて(『雨月物語』浅茅が宿―亡霊となっても待ちつづけた女;『更級日記』―夢を封じこめた可憐な女の自分史;『平家物語』木曾の最期の事―死の絆に結ばれた乳きょうだい)
第4章 冬―冬空と星と雪と(『建礼門院右京大夫集』―縹色の空の星は恋人;『源氏物語』宇治十帖の世界―ふたつの愛の波間に漂う浮舟)

著者等紹介

清川妙[キヨカワタエ]
1921年、山口県生まれ。奈良女子高等師範学校(現・奈良女子大学)文科を卒業。教職を経たのち、30代半ばから文筆活動に入る。古典評論、エッセイ、手紙の書き方、映画評論など、多方面にわたる執筆や講演会で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

seri

74
古典って難しい?よく分からない?そんな方にこそピッタリの良質な入門書。様々な古典にみる女性達を主軸に作品紹介。優しく愛情豊かな視点で、彼女たちの生き様をまっすぐ見つめる清川さんの解説が好きです。古典って、千年から何百年と時の流れに耐えていて。耐えるからにはそれだけの理由があるもの。今も昔も変わらずに人の生の根底にあるもの、共通するもの、それに触れているから深みを増してる。私はそう思う。その深みの一端を情感豊かにまとめあげたその手腕に脱帽。きらめく色彩、命のたまゆら。乙女のものだけに留めるのは勿体無い!2014/05/01

しゅわ

53
【図書館】読友さんに教えていただいた一冊。この表紙&タイトルに惹かれ手に取りました。きれいなイラストと春夏秋冬にわかれた読みやすい構成で、古典に描かれたさまざまな“恋する乙女”を解説。枕草子や源氏物語などの有名どころから、ちょっとマイナーなエピソードまで…10編を紹介。それぞれの季節にあわせた和紙風のカラー用紙がココロニクイ演出ですね♪2014/07/28

みつき 

39
乙女??と思いながら読了。古典を春夏秋冬でオムニバス収録したもの。知っている物語に関しては物足りなさがありますが、知らない物語は読みやすいので、当時の女性が愛する男性にむけた熱い思いを歌や日記の一部の解説とともに楽しむことができたのでよかったです。特に更科日記の恋を夢見る菅原孝標女のつつましやかな春の夜の歌が素敵でした。あとこの本を読む前にうた恋を読んでいたので、在原業平が男前で妄想できて良かったぁ(笑)2012/11/15

しゅてふぁん

38
古事記、枕草子、平家物語など、いくつかの古典のあらすじを紹介したもの。紙の質は普通だけれど、和紙っぽく彩色してあって綺麗。桜、薄浅葱…古典に出てくる色を思わせる。そして挿絵が美しい。彩色が本当に素敵で、皆さま艶やかですこと!さすが『乙女』の古典(*´ω`*) 気になったのは『建礼門院右京大夫集』。平資盛との恋歌が大部分を占める、歌物語ともいえる歌集とのこと。読みたい!2018/04/04

紅香

35
素敵☆清川さんの古典への愛情。その柔らかい言葉。愛が極めき立つ色彩豊かな世界へ。。和泉式部の短歌はひときわ煌めく。思わず口ずさみたくなる。その響き恋の切なさに心がたまらなく揺れる。清少納言の凛とした前向きさに憧れ、物語を羨望する菅原孝標女に共感。登場人物の名前から物語が想像できてしまう『源氏物語』。浮舟と薫と匂宮の苦悩なまでの愛の姿に恋歌に胸を射抜かれる。その繊細さに感嘆のため息。読後は夢うつつ。。私達はこんなにも美しい言葉と感性をどこで手放してしまったのだろう。悔しくなる。だからよりいっそう胸焦がれる。2014/07/04

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