出版社内容情報
「断片的には知っているが、全編通して読んだことがない」方の多い『源氏』の壮大なストーリーを、対話形式でわかりやすく説いた入門書の決定版。世界的ラブロマンの全容がここにある。
内容説明
「源氏物語」は、世界に誇る大文学です。こうした大ロマンが千年の昔に、日本の女流作家によって生み出されたことはまさに奇跡と言えるでしょう。それを私はすべての人々とともに十分堪能したい。本書を開けば「源氏物語」のあまりの面白さに息つくひまもないはずです。この“愛と罪と運命の物語”、そして“絢爛たる王朝の年代記”を心行くまで楽しんでください。私は、この本を執筆している間、いままで経験したことのないような、何か不思議な感覚にとらわれました。
目次
プロローグ 源氏物語を読む前に
第1章 光源氏の青春時代
第2章 光源氏の壮年時代
第3章 光源氏の栄華
第4章 光源氏の晩年
第5章 光源氏亡き後の世界(匂宮三帖;宇治十帖)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花乃雪音
20
源氏物語の解説本。単にあらすじを紹介するのではなく当時の風俗や常識を織り混ぜて説明している。現代の読者を代表して男女一組の会話で進行している。男と女がそれぞれの見方で意見を述べているため一方が男性より、女性寄りの見解を述べても全体としての見方が片寄っていない点がよかった。2021/11/23
ゆうか
7
源氏物語の内容を振り返りたくて読んだ。数年前に読んだきりだったので、私の中の源氏物語は大部分が間違った記憶になってしまっていたことを再認識。浮舟が入水しようとしたが、結局一命をとりとめたのも忘れていた。だが、忘れる度にこうして再度読み返すことは、非常に重要なことだと思う。構成としては、各巻のあらすじが書かれた後に、生徒との対話形式で出口先生の解説が入るという非常にわかりやすいものになっている。昔はこのわかりやすさに感動して、出口先生の授業を受けるために東進の春季講習を受けに行ったりしたことを思い出した。2017/02/22
にこにこ
7
男の子は「あさきゆめみし」さえ読まないし!と思って取り寄せてみました。よくわかると思います。横書きなのも国語が苦手な子にはとっつきやすそうでイイナ!日本史の勉強にもなりそう。2010/09/05
おおにし
4
読みやすいと評判のリンボウ先生の「謹訳源氏物語」第一巻を読んだものの、私には最後まで読み通すのは困難だと中断していました。そんな折、たまたま本書に出会い読んでみたところ、詳細な時代背景の解説や登場人物のロジカルな心理分析により、源氏物語の面白さを大まかながら味わうことができました。さすが受験の神様!源氏物語の解説書も本当にわかりやすいです。これから源氏物語に挑戦される方は最初にこの本で全体を俯瞰してから読み始めることをお勧めします。私も源氏物語に再挑戦してみようという気になりました。2012/03/29
零水亭
3
(妻の兄の蔵書)面白かったです。巻毎に人物相関図を載せてくれているので、助かります。2021/02/02