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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
酔花
3
マッケンのなかでも有名な作品が収録されている。「パンの大神」「白魔」「生活の欠片」は既読のため、今回はスキップ。「内奥の光」はオカルティズムに傾倒した医者とその妻に係わる不可解な事件が描かれる。「輝く金字塔」は見ぬ内に変わる図形に纏わる謎ときが、地域に根付く神秘と交わる一作。終盤の儀式シーンで垣間見えるあちら側の描写がおぞましい。マッケンの作品は、ストーリーそのものも楽しいですが、やはりウェールズの雄大な自然に対する語りが好きです。2023/01/05
Mark.jr
2
どの作品も不気味ながら、怪奇の正体が曖昧模糊としてるのが、よく分からないものが一番怖いということでしょうか。Henry Jamesのような心理ホラーの要素も強いです。2019/02/14
のうみそしる
1
「白魔」はルイスキャロルを髣髴とさせる奇妙な世界の冒険譚。ヘラヘラ笑う岩を見て自分もニヤニヤ笑いながら踊る、という場面が印象的。あとはなんといっても「生活の欠片」が至高。日常の些細な事から、ふとした瞬間に気づくあちらの世界。著者の原風景である草むら、小鳥の鳴き声、谷間、静寂が呼びかけてくる。なんとなくその感覚はわかるような気がする。そして自分が狭苦しい都会で身につけた常識や慣習がどんなものだったか思い出せなくなるのである。2017/06/10