目次
1(斎藤史『うたのゆくへ』論―ロマン主義の宣言)
2 (塚本邦雄論・歌人から歌人へ―定型観の変貌をめぐって;塚本邦雄論―不滅の前衛精神 ほか)
3(きらめくロゴスの刃;山中智恵子論 ほか)
4(佐佐木幸綱論;『夏の鏡』―言葉の行動力と闇の認識 ほか)
5(黒衣の流刑者―前衛短歌の父・中井英夫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
13
小野十三郎の「奴隷の韻律」を受けて書かれた前衛短歌論、それは「敗北の抒情」というように短歌の抒情性が全体主義に組込まれやすく、前衛短歌の人々(それが列柱の意味か)がどう短歌を詠んだかを探る評論。斎藤史、塚本邦雄、岡井隆、寺山修二らの出現は中井英夫の力が大きい、また中山智恵子や佐佐木幸綱の短歌にも目をくばりつつ、最初の斎藤史は浪漫派から出発して父の短歌論を吸収しつつ、それが反逆の徒として罰を受けることになる(2.26事件での青年将校たちへの抒情性)それは、エディプス・コンプレックスなのだという。 2025/10/06




