内容説明
20世紀スペイン演劇の最大の作家―ガルシア・ロルカ。宿命的な本能の力に翻弄される人物を主人公に描く。原典からの直訳による悲劇的な諸作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
uburoi
0
「ドン・ペルリンプリンがお庭でベリーサを愛する話」ブニュエルやアラバールといったスペインの作家にはいつもモラルのたがを外したような享楽性があってそれが魅力なのだが、ロルカにも共通するものがある。グランギニョル風な「ドン・クリストーバルの祭壇装飾絵図」、この2本は『哀しみのトリスターナ』みたいな老人と少女のカップルのぎくしゃくした関係を描いたものだ。長編「五年経ったら」、ピランデルロ風な短編「観客」はドラマが破綻しそうないきおいで幻想が詰め込まれる。そして代表作「血の婚礼」、ギリシャ悲劇のように精緻だ。2015/04/08