内容説明
日本の近代美術は、志をもつ地方在住者が中央・東京をめざし、西洋近代美術の影響を受けつつ、ダイナミックに新しい美術を創造してゆく歩みである。そして、昭和から平成にかけて、平面も立体もより高みを形成しようとしている。その歩みをあたかかな眼で追った一冊。
目次
松井守男の絵画―海、光、祈り
雲くらい眺めて楽しいものはない―曽宮一念の油彩・淡彩素描の魅力
柳原義達の烏の彫刻
写生の地平を拓いた印刷の視覚―明治の石版画
浜松と関りのあった芸術家やパトロンたち
生涯の知的成長を促す場としての美術館
美術館で働くということ―共感の力を磨く
平常展を考える―「花鳥風月展」にちなんで
書画から絵画へ―三遠地方の南画作品から
洋風画の成立試論
イギリス水彩画と日本そしてワイエスへ
イギリス絵画と日本
自然と共生する民家―向井潤吉の画業