内容説明
加藤克巳を熱く書きとった評伝である。この歌人は、短歌の伝統形式を信頼しつつ「本質を歌うこと」に「心意気」を燃やして、〈非短歌〉をも敢て辞さない。まさに前衛の名に値する意欲の成果を現代短歌に築いてきて、後続世代への影響力も大きい。しかも、人に厚く、豁達。そうした才能の魅力が本書から十分に伝わる。
目次
1 生い立ち
2 短歌との邂逅
3 青春の明暗
4 新歌人集団前後
5 歌誌「近代」の頃
6 「個性」よはばたけ
7 海に臨む歌碑
8 母逝きぬ
9 年々哀しみ深くして
10 永遠の出発者