内容説明
いつも変わらぬ黄昏の国エルフランド。その王女リラゼルを探して、アルヴェリックの旅はつづく―ダンセイニ・ファンタジーの最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
135
ずっととおい国にいた。暗闇にしずむ前の暗く澄んだ瑠璃いろ、果てなく広がる草原にさわやかな風が吹いている。 どこかできいたことがある歌、空にたなびくかまどのしろく細い煙、暮れていく夕空、懐かしいようでいてもうここにはなくてすこしさみしいような。かつてはわたしたちが暮らすすぐ横に魔法があったと、信じてもいいはずこんな日には恋しくて。 でも喪失の悲しみはない。降ってくる圧倒的な星空、薔薇のような紫陽花のような、立ちどまる夕暮れの日、たしかにここにはまだ魔法があると信じてしまう。圧倒的に美しい世界たち。2020/06/16
鳩羽
9
魔を行う国主に治められたいとする評定衆の意見を受け入れ、アールの郷の王は息子アルヴェリックにエルフランドの王女と結婚するように告げる。永遠の黄昏の国、エルフランドは時の流れることのない、魔法に満ちた世界だった。王女リラゼルと結婚し、息子オリオンをもうけたアルヴェリックだったが、リラゼルはうまく人間のしきたりや教えに馴染むことができないでいた。…平和ゆえに、有名となるために魔の力を求め、扱いきれなくなったらそれを排除しようとして、結果的にめちゃくちゃにしてしまった話だろうか。魔女がかっこいい。2016/01/13
ふみふみ
8
人間の郷と妖精の国エルフランドを舞台に繰り広げられるファンタジー文学の名作です。序盤の魔剣を手にしたアルヴェリックは剣と魔法のヒーローだし、王女リゼラルはその奔放さと無垢さが神秘的だし、トロールのルルルは悪戯いっぱいで生き生きしてフェアリーテールのようだし、魅力的なキャラと舞台に物語の展開の良さと三拍子揃った作品です。そしてダンセイニ卿が美しい文章で綴るエルフランドとエルフ王の魔法、夢幻ですねえ(ため息)2023/10/24
天城春香
2
まさにこの世の天国だ。2012/01/15
kimumaki
1
寓話…だが入り込めなかった。2005/10/09