目次
花の名前
ゆっくり私
日射しに溶ける
扉の配置
屋根のphoto
口をつぐんだ
空のことなど
からだがない朝
テーブルの上
甘きfura‐fura
大切にする
そこに置かれて
静かに泣いた
雲がぽかり
三月は来る
葡萄のような
彼女の書物
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaoru Murata
3
加藤克巳門下の吉野さんは抽象的な素材を柔らかく口語で詠う。集中、妻が頻繁に登場するが、奥さまは歌人の高橋みずほ。/靴先に確かめてゆく春の土あるいは花のやわらかな影/あかがねの夏熟れてゆくこの町を受け入れてゆく妻と一緒に/麦秋の、その韻きから広がってゆくイメージの 抱(いだ)く時間/かなしいとことばにすればひかりが来るあなたに教えられた通りに/夕闇の重さを蹴って運びゆく自転車そしてわたくしの体(たい)/雨の夜を青く広がる観覧車 時間は海へ帰るしずかに/記憶とは大きな器 教室とジャングルジムと風と音楽2015/09/18
pon
1
油断するとすぐに忘れてしまうようなかすかな詩がたくさん入っていた。思いつきで言うのだが短歌って厚かましくなりがちな詩型ではないか。だからこの薄味はかなり狙っているのでは。 部屋ぬちを午前の過ぎる音と思うかたつむりかたつむり見ている 2019/11/28
曰
0
わかる歌もわからない歌もどれも素敵だった。 トマトから聞いた話とことわってゆっくりゆっくりことばを選ぶ/地球儀に日が差すことのうれしさをふいに語りぬ集団にいて/ローソンの前で転んだことなども思い出といい口をつぐんだ/蜂蜜を求めて帰るこの町に犬のごとくに雲集いつつ/2018/10/29