内容説明
昭和末にして20世紀末、詩歌の概念を根底からくつがえした幻の奇書、高橋留美子の表紙絵をもって、ここに復活。
目次
1 少年―新かな版
2 猥雑都邑痙攣模様―新かな版
3 F.U.―旧かな版
4 愛―新かな旧かな混淆版
5 エピローグ…20年―新かな版
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫苑
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昭和の匂いがぷんぷんする歌集。後書きに小池光氏が書いているように、とても荒っぽく言えば、読み進めながら快より不快を覚える。おびただしい固有名詞には註がついているが、澁谷をかなり歩いていないと実態が掴みにくいかもしれない。流行に身を任せる虚無感の根底に、強烈な個性と破壊力を感じさせる。2017/06/21
warimachi
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まさか高橋留美子とは……註が妙にダサい。昔の同人マンガの欄外に作者が書いてた内輪なコメントみたい。きっとそういうものなんだろうけど。「七曜を海胆はしずかに凶事待つごとく夜ひる棘と棲むなり」「吉展ちゃん力道山死すこんにちは赤ちゃんを聞くありがたくはなし」「渋谷には親よりはやく死にたる児ひすがら石を積みそして積み」「おとこの子つくづく座薬みつめいて兇器寸前半歩と怒る」「死のはひのごとく花ふる平凡をせつなく愛す脱糞のさなか」2012/07/01