内容説明
「人間関係のトラブル」「孤立」「貧困」「認知症」「精神疾患」など、セルフ・ネグレクトのリスクファクターを解説するとともに、支援事例を豊富に収載しました。支援・予防にあたって参考となる、地域における先進的な取り組みも紹介しています。地域包括支援センター職員、保健師、ケアマネジャー、行政職員、ホームヘルパー、訪問看護師、ソーシャルワーカー、介護職員はもちろん、弁護士や司法書士、民生委員にも役立つ情報が満載です。
目次
第1章 セルフ・ネグレクトとは
第2章 わが国におけるセルフ・ネグレクトの現状
第3章 セルフ・ネグレクトの人への対応
第4章 セルフ・ネグレクトを予防する
第5章 セルフ・ネグレクトの人への支援事例
第6章 地域における先進的な取り組み
第7章 今後の課題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とろこ
61
セルフ・ネグレクト。それは、自己放任。自身による世話の放棄・放任である。取り上げられている事例は高齢者が多いが、40代女性の例もあった。自分の安全や快適さなどへの関心が極めて薄くなる為、住居がゴミ屋敷と化したり、健康を害したりする。支援や受診の勧めを拒否するなど、ゆるやかな自殺ともいえる。そのような人々を支援するには、どのような制度や仕組みが必要なのか。アメリカでは、高齢者だけでなく、18歳以上の人を対象にした支援団体が存在する。認知症や鬱病、障害なども踏まえ、孤立死に至らないよう支援する仕組みが必要だ。2018/04/21
水彩
10
前半はテキスト的な情報。事例はうまく展開できた例。なかなかチームが意識共有できて動くことは難しかったりする。現在各地域での取り組みを紹介。今後の支援の構築の整備が求められる。2018/11/17
naohumi
6
仕事上、セルフネグレクトの事例に遭遇する事はままある。何らかのヒントを得ようと読了。 前半は対応方法で後半は事例を通して、セルフネグレクトの方に対する対応が紹介されていた。 感想としては、抱え込まずチーム支援する事であったり、本人との関係構築からニーズ一緒に作り出して、人生を伴走する心がけが大切なんだと感じた。 ついつい、サービス導入ありきで考えてしまうが、サービスはあくまで手段。肝に銘じたい。2021/07/25
海星梨
4
セルフネグレクトの専門書。地域包括センター職員とそれに関係する組織で働く人向けのテキスト。事例も多く収録されており、参考になった。しかし、セルフネグレクト=ゴミ屋敷という世間のイメージに本書もとらわれてしまっている。しかし、ゴミ出しができない・排泄がうまくできないといった問題が根幹にあり、俗にいうゴミ屋敷になっているという側面は無視できない。そういう意味ではゴミ屋敷はある程度セルフネグレクトが悪化して場合の発見要素の一つで、それがない場合の発見や支援は難しいのかなと感じた。2020/07/19
くらーく
2
第5章から読むのが個人的には正解だったかな。いやー、セルフネグレクトって高齢者の事例ばかりと思ったけど、意外と40代、50代の事例もあって、他人事じゃないなあと。性格的にはばっちり当てはまっているし。支援される側にはなりたくないなあ、子供にはこういう思いをさせたくないなあ、と。 セフル・ネグレクトする人は、社会的交流が上手くできないのだね。親子、兄弟でも上手くいかないし、親戚、ご近所とも。そんな人の心をほぐしつつ、問題を解決するソーシャルワーカーの方々は本当に偉いなあと。予防対策がのぞまれますなあ。2020/09/05