内容説明
24年間、認知症を生き抜いた母は逝った…。父の遺言で仕方なくはじめた、認知症の母の介護。その苦しさから逃げることばかりを考えた。でも、あの苦しみや悲しみは無駄ではなかった。認知症の母の詩、ここに完結。
目次
1 なんで俺がこんなことを(遺書;徘徊と笑うなかれ ほか)
2 母が言葉を失った(身体の記憶;水平線に向かって ほか)
3 危篤(本当のところ;母に見えるもの ほか)
4 さようなら(俯瞰;遺影 ほか)
著者等紹介
藤川幸之助[フジカワコウノスケ]
詩人・児童文学作家。1962年、熊本県生まれ。小学校の教師を経て、詩作・文筆活動に専念。認知症の母親に寄り添いながら、命や認知症を題材に作品を作り続ける。また、全国各地で認知症への理解を深めるため講演活動を行う
岡田知子[オカダトモコ]
イラストレーター。1965年、富山県生まれ。広告制作会社にグラフィックデザイナーとして勤務後、イラストレーターとして独立。透明水彩や鉛筆を用いて、主に出版・広告の分野で活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
22
認知症者であっても、認知症でなくても、親の介護の大変さは身をもって経験した人だからわかることも多いのでしょう。 そして、限りなく終わりが来るまでの苦しみや葛藤は、どうしたらいいのでしょう。 ストレスを抱えた介護者のケアに、詩を書くことっていいなあと思いました。 著者は、介護に関する絵本や著作を出しているけれど、自分を追い詰めないスタンスが、気持ちを軽くさせてくれます。 文章や文字にして、自分の行っていること、自分の思いを客観視できたら、少しは心も落ち着くのかもしれません。 2023/11/15
愛 飢男
20
何処でどうなってこの本と巡り会えたのか分からない。 小説と思い込みしてたら何とか詩であった。 認知症の母親の看病時に思いついた心情を赤裸々に詩っており看護の経験がない私でもグッと胸に詰まるものがある。 24年間の介護。長いですよね。介護を糧とし母親と向き合った藤川さんに敬服。 さりげなく挿入されている水彩絵もほのぼのとして凄く癒されます。2015/11/26
ochatomo
10
15年間介護した母の終末期に自らを振り返る詩集 初出は長崎新聞連載2006年~2013年ほか 絵はイラストレーターの岡田知子さん 02013刊2024/11/09
チロル
7
図書館本、詩集。父亡きあと 母の認知症と共に歩んできた藤川さん。詩集にある 話し言葉 が島田洋七著『佐賀のがばいばあちゃん』 / 岡野雄一著『ペコロスの母に会いに行く』の作品で触れた 言葉でした。藤川さんは熊本出身らしいです。「認知症介護」言葉としては一括りにされるけど、個人個人 みられる行動はそれぞれで、答えも 何が正解かはそれぞれだと思います。よく多趣味の人は認知症になりにくい と聞いたことがありますが、多趣味だろうが 発症する人はいます。↓2023/02/27
ふーちゃん
6
介護に疲れたら、一息入れるにとても良い本。介護をする前に読むとことをおすすめします。涙なしには読めませんよ。2014/01/12