内容説明
大学での対面授業の自粛、ミサへの出席の禁止、人びとの外出や活動の制限など、コロナ禍による未曽有の大きな混乱の中で、歴史学者であり、カトリック司祭である著者の透徹した洞察と思索は、はるか時空を超えて「万華鏡」のごとく輝きを放つ。本書は、気鋭のキリシタン研究者、川村信三神父による初のエッセー集である。
目次
今よみがえる殉教者の姿
秘跡の記憶
高山右近の辞世
『沈黙』についての違和感
井上筑後守「転び」の陥穽
能動的信徒覚醒のための緒
宗教(派)間対話の根底にある「エキュメニズム」の真理
浦上の「秘密教会」と「旅」のはじまり
「彼らは何を信じていたのか」という問いへの疑問
聖母月に想う
「無慈悲の知」―最新脳科学が説き明かす人間性と歴史の教訓
キリスト教の歴史的功罪を問う人びとの声
真の「英雄」とは?―映画『ハクソー・リッジ』と『沈黙―サイレンス―』との奇遇な一致
家族の絆と信仰
大友宗麟の器の大きさ
伝統を紡ぐ
最先端の科学技術者に「歴史」と「宗教」を語ることの意味
ベアト(福者)・ジュリアンの旅
科学者はいかにキリストと教会を信じるのか
和紙に魅せられた異国人〔ほか〕
著者等紹介
川村信三[カワムラシンゾウ]
イエズス会司祭。上智大学文学部史学科教授。上智大学キリシタン文庫長。キリシタン文化研究会会長。日本カトリック司教協議会列聖推進委員会顧問。1958年生まれ。1983年、イエズス会入会。1992年、司祭叙階。1999年、米国ジョージタウン大学より歴史学の博士号(Ph.D.)取得。近年、東京大学の研究グループとの共同作業による、キリシタン時代の手書き書簡などの古文書を最新の科学技術を用いて多方面から調査・研究に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。