内容説明
一八九八年フランスに生まれたマドレーヌ・ユタンは幼い頃からアフリカに心惹かれ、またサハラの願みられない人々と友になりたいと念じていた。病気と第一次大戦のため、なかなか実行できなかったが、「病気の進行を止めるには、雨の一滴も降らない国へでも行かなければ」という医師の言葉に、マドレーヌは「不可能をも支配する主、イエス」に従って生きる決心をする。そして「イエスの小さい姉妹の友愛会」を創立した。小さい姉妹たちは「修道女である前に人間」であろうとし、神の愛の証人となるために、貧しく見捨てられた人々と共に住み「遊牧民の中では遊牧民に、ジプシーの中ではジプシーに、囚人の中では囚人に、労働者の中では労働者」となって共に働く。シャルル・ド・フーコーの理想を慕うこの修道家族は一九八九年創立者死去の時には、六十四ヵ国の国籍からなる千四百名の姉妹を数えていた。この伝記は、二十世紀を神の導きのまま生き抜いた小さい姉妹マドレーヌの生涯に刻まれた神の軌跡をたどる。世界の隅々に「友愛の家」を建て、その実現のための緊張と苦難に満ちた歩み…。それは、貧しき人々のただ中に溶け込み生きる、観想修道生活の新しい一つのかたちを示している。
目次
第1章 砂漠の呼び声
第2章 幼いイエスの神秘
第3章 修道女である前に人間であること
第4章 十字架の道
第5章 愛の一致
第6章 導きのままに
第7章 教会の承認
第8章 共に一つ
第9章 ロバだけが…
第10章 友愛が神よりのものなら
著者等紹介
スピンク,キャサリン[スピンク,キャサリン][Spink,Kathryn]
1953年にインドに生まれたイギリスの著名な伝記作家。「マザー・テレサ」「テゼのブラザー・ロシェ・シュッツ」「ジャン・ヴァニエとラルシュ共同体」等を執筆し、現代の霊性を追求し続けている
関本肇[セキモトハジメ]
1925年京都に生まれる。聖公会司祭
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