内容説明
国立歴史民俗博物館所蔵の洛中洛外図〓風(通称・歴博甲本)は現存最古の洛中洛外図〓風である。天下泰平にはまだ遠い十六世紀前半の絵画だが、そこに描かれたのは、〓園会も滞りなく行われ、洛中を歩く人々の足取りも軽い平穏息災な都の一年である。この歴博甲本の特質を絵画史の視点から捉え直す。
目次
第一章 景観の選択と構成
第二章 洛中を往来する人々
第三章 風俗表現とその類型
第四章 耕作に励む人々
第五章 行事の情景
第六章 筆者問題の研究史
第七章 人物と景観の様式
第八章 制作の背景
第九章 歴博甲本のあとさき
著者等紹介
泉万里[イズミマリ]
1957年生まれ。博士(文学)・美術史家。東北大学文学部、大阪大学大学院文学研究科にて日本美術史を学ぶ。1996年4月から2005年3月まで神戸市看護大学看護学部助教授。2005年4月から2008年3月まで大阪大学総合学術博物館兼大学院文学研究科教授。2014年4月から2017年6月まで静岡県立美術館学芸部長。2017年7月から2022年5月15日まで公益財団法人大和文華館学芸部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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