内容説明
史実と虚構のはざまで生成されるイメージをめぐって―不可思議な事績を示した神異僧を紐帯として繋がり合う仏教美術。日本と中国の研究者による九本の論考を収録し、美術伝播の様相を読み解く。
目次
第1章 神異僧研究への誘い(神異僧をめぐって―研究略史と共に;神異僧の霊験譚―史実と虚構のはざまで)
第2章 中国の神異僧―劉薩訶の信仰と美術(神異僧図を軸とした美術作品の伝播と受容の様相―劉薩訶像を中心に;劉薩訶、涼州瑞像信仰と中世歴史地理;劉薩訶の美術―呉越阿育王塔と敦煌莫高窟第72窟)
第3章 日本における神異説話の受容と展開(極楽寺本六道絵の制作の構想について;極楽寺本六道絵に描かれた器物等に関する考察)
第4章 神異表現を起点とした作品研究の広がり(唐代法津禅師の墓誌銘と塔銘研究;山西博物院蔵絹本地臓十王像研究)
結語―神異僧研究の展望