内容説明
「古典」と「前衛」の相克。芸術史と文学史の交差する視座から、20世紀の古典主義における多面性や矛盾、亀裂について考究し、これまで当たり前とされてきた歴史認識について問い直す8篇の論考。
目次
第1部 モダニズムと“古典主義”(バック・トゥ・ザ・フューチャー?―前衛、古典主義と“後衛”の概念;前衛と古典主義回帰―モデルニテのパラドックス?;前衛/古典主義/プリミティヴィズム―両大戦間期の美術の問題系をめぐって;文化相対主義の時代におけるローカルなモダニズムとしての古典の所在―ポール・モラン『ルイスとイレーヌ』(一九二四年)を読む)
第2部 起源の創出と〓神(カルロ・カッラとイタリアにおける秩序回帰の始まり;水瓶とカスタネット―ピカビアのアングル贋作をめぐって;シュルレアリスムと古典主義;両大戦間期のフランス芸術における「伝統」と「危機」―ヴァルデマール・ジュルジュの批評の変遷)