感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
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コルビュジエが書いた「建築をめざして」(1923年)の文章や写真を初版とほぼ同じようにレイアウトしてある新訳本。コルビュジエは、あおりぎみに書いたり言ったりするようなので、『住宅は住むための機械である』とか『建築か革命か。革命は避けられる』のような名言の意味を深く考えるのはやめて素直に読んでみた。シンプルに読んでわかったのは、コルビュジエというひとは「穀物倉庫」「工場」「船」「飛行機」「自動車」それから「パルテノン神殿」が大好きだということ。それだけわかれば、もうじゅうぶんという気もした。2017/09/24
キャラ
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他翻訳よりも正確で読みやすく、ル・コルビュジエの意図を正しく伝えている。”VERS UNE ARCHIITECTURE”を『建築をめざして』と訳されることがままあるが、個人的には本書と同様、『建築へ』が正しいと思う。原著と全く同じレイアウトで、文の位置まで同じであることは非常に重要。図の対比的な配置、テキストの意味内容とズレが生じる図の配置、唐突なキャプションの上下逆配置、パラパラとめくればフラッシュ映像のようなシュルレア。本を視覚装置とみなし、すべてが読書という体験へ引きずり込むための仕掛けだと気づく。2025/02/27