出版社内容情報
本書『量子生化学』の原書 Quantum Biochemistry は,1963年に刊行されたこの分野の古典的名著である.量子生化学の基礎としての分子軌道法を解説した第Ⅰ部と,生化学と関連の深い各種化合物への分子軌道法の応用を解説した第Ⅱ部および第Ⅲ部から構成されている.また付録には単純ヒュッケル法で計算された各種の生化学的物質の電子的指標(分子軌道のエネルギー,共鳴エネルギー,電子密度,結合次数)の値が収録されている.
内容説明
本書の原書Quantum Biochemistryは、1963年に刊行されたこの分野の古典的名著である。量子生化学の基礎としての分子軌道法を解説した第1部と、生化学と関連の深い各種化合物への分子軌道法の応用を解説した第2部および第3部から構成されている。また付録には単純ヒュッケル法で計算された各種の生化学的物質の電子的指標(分子軌道のエネルギー、共鳴エネルギー、電子密度、結合次数)の値が収録されている。
目次
第1部 生化学者のための分子軌道法(なぜ分子軌道なのか?;基本的概念;共役分子;電子構造的指標の主な応用)
第2部 基本的な生化学物質の電子構造(プリン類、ピリミジン類および核酸類の分子下構造;共役系としてのタンパク質;高エネルギー化合物;プテリジン類;ポルフィリン類と胆汁色素類;共益型ポリエン類;キノン類)
第3部 酵素反応の電子的側面(酵素反応の一般的側面;酸化還元酵素;葉酸補酵素類;ピリドキサールリン酸酵素類;チアミン‐ピロリン酸触媒型反応;酵素的加水分解;結論:電子の非局在化と生命の過程)
付録
著者等紹介
プルマン,B.[プルマン,B.] [Pullman,Bernard]
1919‐1996。ソルボンヌ大学を卒業。第二次大戦中はフランス軍将校としてアフリカ・中東で過ごし1946年パリへ戻った。1946年から1954年、フランス国立科学研究センター(CNRS)で研究に従事、1954年にソルボンヌ大学教授となった。1959年には、Institut de Biologie Physico‐Chimiqueで量子生化学部門を率い、1967年に創立された国際量子分子科学アカデミーの設立メンバーでもある。400篇以上の論文を執筆し、1950年代から1960年代にかけて、量子生化学という新たな分野を開拓し、量子生化学を用いて多環芳香族炭化水素(PAH)の発がん性を予測するバイオニアとなった
プルマン,A.[プルマン,A.] [Pullman,Alberte]
1920‐2011。理論量子化学者。1938年にソルボンヌ大学で研究を始めた。フランス国立科学研究センターでは計算分野にかかわり、1946年に復員したB.プルマンと結婚し、1996年に夫がなくなるまで、共同で研究に従事した。B.プルマンとともに、1950年代から1960年代にかけて、量子生化学という新たな分野を開拓し、量子生化学を用いて多環芳香族炭化水素(PAH)の発がん性を予測するパイオニアとなった
江〓俊之[エサキトシユキ]
1947年名古屋市に生まれる。1966年愛知県立明和高等学校卒業。1970年京都大学薬学部卒業。1975年京都大学大学院薬学研究科博士課程修了。1976年~1985年名古屋大学工学部応用化学科に大学院研究生として在籍。現在、江崎ゴム(株)代表取締役。専攻は理論医薬化学。薬学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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