内容説明
近代国家建設を目指した彼の国に民主主義はなぜ根づかなかったのか?近代国家建設を進める国民党は、民主化の前段として政治的に未熟な民衆を党が指導する「訓政」を掲げた。しかしそれは紆余曲折の末、当初目指した民主憲政ではなく、〓介石の個人独裁へと帰着する。民主制の模索が失敗に終わった組織的風土的要因を探る。
目次
序論 民主化の試みとしての「訓政」
第1章 郷村社会と国民党政権の課題
第2章 理念と実態
第3章 党組織の展開とその蹉跌
第4章 地方政治
第5章 政策決定過程
第6章 政治指導の構造
第7章 平時から戦時へ
結論 未完の訓政
著者等紹介
岩谷將[イワタニノブ]
北海道大学大学院公共政策学連携研究部教授、博士(法学)。1976年大阪府生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。防衛省防衛研究所教官、同主任研究官、北海道大学大学院法学研究科教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
北伐後の中国南京国民政府では、軍政から訓政(党が指導する地方自治をつうじた民主政治の実現)を経て民主憲政に至る統治理念を掲げたが、実態は蒋介石の個人独裁と、管理的で非民主的な統治制度に変容した。当時の国民党の置かれた状況は、外的に地方軍事指導者や共産党といった敵対者の存在と、内的に国民党政権を内部から拘束する政権の正当性の問題も抱えていた。国民党は不安定な寡頭制による政治運営を強いられ、リーダシップを備えた独裁が必要とされた。◇中央と地方関係が詳細に分析されている点が特徴。2025/10/25
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