内容説明
英米中心の国際秩序に挑戦するドイツ、日本、中国、ロシア。しかし、その思惑の違いから関係は錯綜する。複雑に入り組んだ東アジアの国際関係史を再構築する。
目次
序章 ドイツ外交と東アジア―基礎視角
第1部 ドイツ外交と中国への武器輸出(中国武器市場をめぐる日独関係;第三帝国の軍拡政策と中国への武器輸出)
第2部 ドイツ外交と東アジア航空連絡(日中戦争までのドイツ=東アジア航空連絡;戦争期のドイツ=東アジア航空連絡)
第3部 諜報・謀略をめぐるドイツ=東アジア国際関係(アフガニスタン謀略をめぐるドイツ=東アジア関係;満洲謀略をめぐるドイツ=東アジア国際関係)
第4部 東アジア国際秩序をめぐる諸構想とドイツ外交(孫文の「中独ソ三国連合」構想と日本 一九一七~一九二四年―「連ソ」路線および「大アジア主義」再考;日本の枢軸同盟政策と対ソ政策―「反ソ防共」から「連ソ容共」へ)
著者等紹介
田嶋信雄[タジマノブオ]
成城大学法学部教授、博士(法学)(北海道大学)。1953年東京都生まれ。北海道大学法学部卒業。1982~84年、トリーア大学・ボン大学留学。北海道大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。北海道大学助手、成城大学法学部助教授を経て、1996年より現職。1992~93年、フライブルク大学客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
17
1890年ごろから1945年までの時期のドイツ外交と東アジア国際関係の相互作用を考察。日独防共協定や日独伊三国同盟などの「枢軸外交」に集中しがちの従来の研究傾向を超えて、ワシントン体制への挑戦者としてのドイツの東アジアへの関わりがダイナミックに描かれていてる。清末民初の中国武器市場でのドイツの独占。日独航空連絡の顛末。また、内外学会の注目度が低かった孫文と中独(ソ)関係に焦点を当て、中独ソの連合構想が1940年代の日本にも「連ソ容共」として登場する一連の繋がりも示しており大変興味深い。2025/04/15